Doctors family〜2〜

高熱（涼太） ページ41

龍友side



龍「あっ、涼太。いってらっしゃい」



ガチャン！



大きく音を立てて閉まった玄関のドア


涼太から返事が返ってこなかったのは多分この時が初めてだと思う



どんなに喧嘩をしていても。

どんなに急いでいても。



必ず"行ってきます"の言葉はあったはずだ




なのに今日はどうだ


朝ごはんも食べて行かなかったのに




この時、僕は何か嫌な予感がしていたはず


でも今日は何かとバタバタしていて涼太のことまで気にかける余裕がなかった









プルルルルル…


職場にかかってきた一本の電話



それは涼太の高校からで僕はなんてことをしてしまったんだろう



学校「お仕事中にすみません。涼太さんが倒れまして、かなりの熱なのでお迎えに来ていただけると」


龍「わかりました、すぐに行きます！」




一番近くにいた僕が気づいてやれなかった


倒れるまで我慢させちゃったのは全部、僕たちのせいやな





保健室のベッドで寝ている涼太の顔は最悪で


どれだけ辛かったのか僕にはわからない




朝、僕に言いかけたことはこのことだったのかもと思うと


僕は最低なことをしてしまったんだ




涼太は僕がバタバタしているのに気づいたから


言いたくても言えなかったんだよね





病院まで連れて行こうと車の中に運ぶも、一度も目を覚さなかった


これが寝れているならいいんだけど、そうじゃないんだよ




今更、後悔しても遅いのに

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