Doctors family〜2〜

失声症（亜嵐） ページ1

亜嵐side



「だだいまぁ」



こう言っても返事は帰ってこない



それは今、時計を見てみればわかるよ



短針は"2"を指しているのだから
外は当たり前だけど真っ暗



みんなを起こしたくなくて電気もつけずにこっそりと自分の部屋に入る



そして3時間後



スマホのアラームが鳴る



「行ってきます」



これにも返事が返ってこない



まだみんな寝てるから



病院に行く道の途中、誰一人としてすれ違う人がいない



声も聞こえなくて自分の鼓動の音が聞こえるくらい静かだった



病院の更衣室で着替えようとロッカーを開けた時



ふと目に入ってきたのは自分の顔だった



20代の顔とは思えないほどやつれていた



もう慣れてきたけど結構ハードな生活してるよ



睡眠時間、足りてないのかな



でも俺を必要としてくれる人がいるって思うと短い睡眠時間も気にならない



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そういえばみんなと一緒にご飯食べたのいつだろう



夜遅くに帰ってきて朝早く出勤する俺は"いない"存在とでも思われているのか



そろそろ俺も限界だよ…

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