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サンジ視点
70日目
食糧も無くなり明らかに自分の体が動かなくなっていくのがわかった
｢あのクソジジイはもう死んだかな…」
俺は反対の海岸の方を向く
食糧以外の何かを考えていないと気が狂いそうだった
なのに脳内は腹が減った…食糧…と誰かから言われているようだった
あいつもう死んだかな…
俺は弱々しくなった体に必死に“動け！”と働きかけクソジジイの方へ向かう
｢あいつまだ生きてる、あんなに！食糧がある！！｣
す…と布に包んだ包丁を本能的に取り出した
今の俺には生きるためなら殺すしかないという考えしかなかった
｢何しに来たチビナス……船が見えたのか…？」
｢お前の食糧奪いに来たんだ｣
何も反応しないクソジジイを無視し俺は食糧が入っている大きな袋を包丁で切る
｢こんなに沢山お前だけ…
え…」
出てきたのは食糧ではなく金銀光る宝だった
｢金はあるのに食えねぇってのおかしな話だな｣
クソジジイは振り向かずただ海を見ながら話す
初めて見た時の大きくたくましい背中は小さくやせ細ってしまった
｢食糧は！？お前今日までどうやって生きてきたんだよ！！！｣
クソジジイの服を掴み俺は見た
無くなった右足
｢自分の足…食ったのか！！？｣
｢そうだ｣
｢その足じゃもう、お前海賊やれねぇじゃねぇか！！！｣
｢そうだな…」
｢俺はお前を殺す気だったのに！！俺がお前なんかに優しくされる覚えはねぇぞ！！何でだよ！！何でだ！！｣
俺は弱りきった体から出るはずのないような大声で話す
体は水を欲しているはずなのに、涙なんて出るはずがないのに涙が流れてくる
｢お前が俺と同じ夢を持っていたからだ｣
｢オールブルー！けどそんなもんないってお前の仲間も…」
｢あるさ、時期が来たら“偉大なる航路”を目指せ｣
｢俺の最後の生きがいをレストランをぶっ建てようと思ってた
この海賊時代にそんな店やれるのは昔新聞で見たあの女と俺くらいなもんだ｣
｢……よし！！俺もそれ手伝うよ！！だからまだ死ぬなよ！！｣
80日目
『大丈夫ですか！！！』
視界が霞む中確かに聞こえてきたのは女の声
｢俺じゃなくて……クソジジイを………………」
俺は人差し指をクソジジイの方を指す
女は大きく頷いた
『大丈夫ですよ！お二人のこと必ず助けますから！！』
俺はその言葉に深く安堵した
その弾みで俺の意識はフッと落ちた
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リリア(プロフ) - ジャネットさん、ありがとうございます！これからも皆さんに喜んでもらえるように頑張ります！ (2020年2月11日 7時) (
レス) id: a1c1a0f2f0 (このIDを非表示/違反報告)
ジャネット(プロフ) - 1万回投票したいくらい好きなお話です…。応援してます！ (2020年2月11日 2時) (レス) id: 0c6808fe65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サン・D・リリア | 作成日時：2020年2月1日 23時
