鈴の音が鳴る頃に

番外編、続 ページ22

「ごめんね。お嬢さん。この子は私たちといくのよ」





源越(ご)しに私を睨(にら)む美人組。





タレ目が特徴的なお姉サンがにこっと挑発するように私に言った。





へえ、ケンカはキライじゃないよ。





『オニーサンは、わた』




「すいません！オレ、彼女いるので！！」




『ありゃ？』





かなり大きい声で源が言った。





周りに居た大人達が微笑ましそうにこちらを見ている。




それと対照的にお姉サンズがめちゃくちゃ私を睨んでいる。







「じゃ！失礼します！行くぞ！ " A " ！」




『えっ。なるほど、おままごと(彼氏彼女のフリ)に付き合えと。……分かったよ。" 光 " 』





ここでは、彼氏彼女らしく手を繋(つな)いでお姉サン達から離れた。





……でも、まあ、 " A " 呼びも、コイビト繋ぎもワルくは無いかな。









『君、来るの遅くない？』





「え？オレ、十時前にはいたぞ」




『……マジ？』




「マジだ」





まとめるとこうだ。





源は十時前には待ち合わせ場所に居た。





次に私が来た。





だけど、私たちはお互いが見えない場所にいて、お互いがお互いをずっと待っていた。




それで、待っている間に源が逆ナンをされ、そこに私が来た……と。






「互いに、互いが悪いな」




『最初っからやり直す？』




「もういい！」





顔を思いっきり左右にブンブンと振る源。





頭がもげて何処かにとんでいきそうな勢いである。





あぁ……源を見てる女の子が笑ってる。そりゃ面白いよね、このオニーサンこんな首振ってるもんね。





さあ、気を取り直して。





『デート、しますか？』




「でっ！………します」





源は繋いでいた手を、恋人繋ぎになおして、赤い顔を隠すようにそっぽを向いた。





そんな、彼を……





そんな君の、トナリが欲しい、なんていつから思い始めてたんだろうなあ。









Fin＿ 番外編、待ち合わせは君のトナリ。

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