にじさんじの受付嬢、有能な件【2j3j】 (ページ9)

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トラウマページ9

雷side
目を覚ますとあたりは薄暗かった。

竜兄は飯の支度をしているのか包丁を使う音が聞こえる。

『……ぅ………………ぁ』

雷「………姉さん？」

腕の中を見ると苦しそうに唸っている姉さんがいた。

『ごめ……さ、なぐ……………南雲』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ

あの日からこの人はずっと“それ”に囚われている。

この時期になると毎日の様に苦しそうにしてまともに眠れない。

雷「まだあんたはそこに居るのか？」

姉さんを優しく抱きしめて涙を拭く。

あの日から姉さんは変わった。

昔の様な“人形”に戻ってしまった。

雷「兄〜」

竜胆「ん〜？どうした〜」

キッチンで飯の支度をしていた竜兄がベッドルームに戻ってくる。

竜胆「あ〜…………。悪いなぁ雷。夕飯の支度途中までしたからお願いしていいか？」

雷「……………おう、任せとけ」

俺はベッドルームから出てキッチンに向かった。

竜胆「………………………、…………………？…………」

『………………………！………………………………っ、……………！』

竜胆「…………、……………………。……………？」

ベッドルームから2人の声が聞こえる。

竜兄は冷静だけど姉さんは少しおかしくなってるな。

ベッドルームの扉が大きな音を立てて開いた。

竜胆「A、此処は家だろ？な？誰もお前を責めたりなんかしないよ。お前をしばってた“母さん”だって」

ガシャンッ！

『うるさい！黙れ！お前も、雷も、皆、皆そうやって言って居なくなったんだ！もう嫌なんだ、置いていかれるのは嫌だ、一人ぼっちも嫌だ！お前達も“彼奴”みたいに“A”を、“A”……を…………』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ

自分が誰だか分からなくなった時、姉さんは自分の事をAと呼ぶ。

自分を証明する為に。

自分が自分である為に、自分に“洗脳”をかけるんだ。

“自分はまだ使える子だって(人形に戻りたくないって)”。