にじさんじの受付嬢、有能な件【2j3j】 (ページ21)

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聞こえない足音ページ21

セラフside
Aさんに最初に会った時、どっち(・・・)の人間か疑問に思った。

掴めない笑顔、聞こえない足音、全くない気配。

全てが暗殺者の素養そのもの。

けれどそんな素振りは一切なく雲雀も奏斗も何も言わない。

けど凪ちゃんだけは違った。

凪ちゃんもAさんを見た時に違和感を覚えていた。

四季凪「女性であそこまで背が伸びるものなのでしょうか。確かにご家族全員の背が高いと言われれば遺伝なのではとは思いますがだとしても背が高すぎる。それとあの人は素養も何も掴めない」

セラフ「どういう事？」

四季凪「Aさんの事を少し調べたんです。大学は短大であった事、このにじさんじ本社には22の時に入社していて今年で24。大学を20で卒業していて気になりせんか？にじさんじに就職するまでの2年間、何処で何をしていたのか」

確かにそうだ、配信でも此処に就職する前は何をしていたのかという問も軽く流している。

Aさんは何かを隠している。

四季凪「私が調べられたのは大学卒業後、直ぐに何処かに就職しているということです。大学時代を知っている方に聞いたのですが凄く冷たい方だったそうです。主席で卒業した世に言うエリートではあったが何時も面倒くさそうに講義を受けていたと。講義が終わり次第直ぐに姿を消してしまうため、大学では一匹狼と言うよりも恐ろしい人としての認識の方が強かったようです」

セラフ「“冷たい人？”Aさんが？」

四季凪「えぇ。おそらくなんなかしらの影響で性格を改めたのか、それともそもそもを改造されてしまったのかですね」

雛月「…………………聞いてだろ？セラフ君」

Aさんと雛月さんが話しているのをたまたま聞いてしまった。

セラフ「雛月さんはAさんの事どれだけ知ってるんですか？」

雛月「君達が探しているここに入る2年前から知ってるよ」

セラフ「なんでそれを」

俺がそう言うと雛月さんは笑った。

雛月「別に嗅ぎ回るのは結構だけど程々にしないと食い殺されちゃうよ？」

セラフ「なんの話……？」

雛月「ならアドバイスしてあげるよ。あの子は君達を警戒してるよ。特に君と四季凪君を」

そう言うと雛月さんは手を振ってどこかへ行ってしまった。