訪問者 ページ11
Aside
誰もいない。
竜兄も、雷も誰もいない。
“また、一人ぼっち”だ。
半日の仕事から帰ってきて、それで………。
その後が全く思い出せない。
体をゆっくり起こすとサイドテーブルの上に小さな小瓶が置いてあった。
小瓶の中身は“睡眠薬”だった。
あぁ、また暴れたのか……。
手足を見る限り拘束具は付けられてない。
誰かがこの家にいる気配もない。
ふとサイドテーブルに置いてあった置き手紙に目が行く。
『“あと2日期間がありますが、急遽“本家”から呼び出しがありAに確認なく家に戻ります。申し訳ありません 竜胆”』
律儀だなぁ、なんて思いながらゆっくりと風呂場に向かう。
髪と体を洗って風呂場を出るとチャイムがなった。
郵便か?なんて思いながら私は玄関の扉を開けた。
??「流石に誰かを確認しないのはヤバいっすよ」
??「Aさんほんと危機感ないよね〜」
扉の向こうには葛葉さんと叶さんがいた。
『どうしてお2人がうちに?』
葛葉「これ、鈴木さんと清水さんからのお見舞い品。こっちは俺と叶から………………中入ってもいいっすか?」
この言葉に私は頷いて2人を家へ入れた。
2人をソファに座らせて叶さんにはミルクティー、葛葉さんにはいちごミルクを出した。
叶「体調の方は大丈夫なんですか?」
『今の所倒れたりはしてないかな?何時も以上に寝てたって感じはあるけど』
2人の向かい側のソファに座る。
葛葉「Aさんが敬語無しで喋ってるの初めて見た」
叶「別に僕達に敬語使わなくていいんですよ?特に葛葉は」
葛葉「おい!どういう意味だよそれ!」
2人のやり取りを見て頬が上がる。
きっとこれは何時もの作り笑いじゃなくて“ほんとの笑顔”なのかもしれない。
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快晴(プロフ) - 膝枕って、きゅんきゅんする、、、、 (11月5日 18時) (レス) @page28 id: 3fba93f21d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリス | 作成日時:2023年8月17日 0時