第一章 三話 ページ4
私は蝶治郎“様”と里へ帰る道を歩いている
すると蝶治郎“様”が話しかけてきた
蝶「まだあのときのことを気にしてるのか?」
貴「えっ?」
蝶「かがり殿のことだ」
やっぱりその事か
相変わらずですね……本当に
貴「かがり様は私にとって特別な方です、その方を守れなかった、私にとっては忘れられないことですよ、蝶治郎“様”」
私は昔の口調で話した
すると蝶治郎様は少し眉をひそめた
蝶「何度言ったらわかる、昔の口調はやめろ」
貴「それはできませんよ、丹波様のご子息の方に敬語を使うのは当然です、二人でいるときぐらいは⎯⎯」
次の言葉を言おうとすると、蝶治郎様は私の手首を掴んだ
そして引き寄せる
貴「ちょ、蝶治郎様!?」
蝶「お前は私の妹だ、敬語を使う必要はない」
貴「蝶治郎様……?」
蝶「それがかがり殿の命だろ」
貴「……ええ……」
そう、私が蝶治郎様の妹になったのはかがり様からの命だった
かがり様が蝶治郎が一人になったことを心配し、小さい頃から仕えていた私を妹にした
蝶治郎様と私は同い年だから双子と皆に言っている
蝶「ならその命を全うしろ」
貴「……わかったわ」
私はみんながいるときと同じ口調で蝶治郎に言った
そして続けた
貴「確かに命を全うするのが忍、けど私は妹として、そして弟子として貴方を尊敬してる」
蝶「A……」
貴「早く行きましょ?蝶治郎」
蝶「ああ」
蝶治郎は短く答えてから私の手首を離し、歩き出した
私もそのあとをついていく
すると蝶治郎が言った
蝶「A、かがり様のことを思うのはかまわないが、その事で自分を責めるな」
貴「蝶治郎……」
蝶「誰もお前のことを責めることはない、かがり殿は殺されたわけではないのだから」
貴「……」
私はそれを聞くと黙った
そして屋敷につくまで私たちは一言も話さなかった
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梓歩(プロフ) - レス遅れてすみません!読んでくださりありがとうございます!これから更新できるようにがんばります!! (2021年2月24日 1時) (レス) id: ac0521d57a (このIDを非表示/違反報告)
メモ(プロフ) - たまたま検索し、読み始めたらはまってしまいました。私も百花百狼大好きです。この先、どのルートになるのか気になります。ぜひ、続きお待ちしています。 (2021年2月14日 18時) (レス) id: bf5cef6a21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓歩 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fcdc3c39784/
作成日時:2019年1月1日 16時