分かんないよ ページ49
「衝突があったんです」
「でもそれがあったから勝てたと思います。今回の黒鷲旗も」
石川「そっか。でもね一つだけ言うなら……Aも人間だし天才だけど、天才扱いされたくないと思うし、Aってずっと注目されてる選手だったけど、中高どっちもキャプテンしてないんだ」
「それは…」
石川「Aは自分の気持ちを言葉にするのがとても苦手だから、そこを治さなくちゃいけないと思う。現に俺にも何も言ってくれないしさ。」
そう、Aの本音を聞いたのは泣いてる時だけ
初めてあった時も泣いてたなぁ、うざいって言われたなぁ
「これAのバレーノートです」
石川「Aの?」
「はい、高校の監督との約束でまだノート付けてるみたいです」
石川「そっか。じゃもらっていい?俺から返すから」
「はい」
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〇月△日
インカレが始まる。インカレは絶対に勝てる
〇月△日
インカレ優勝できた。ここから。天皇杯と黒鷲旗。社会人チームを倒すのはここ
〇月△日
ゲームキャプテンになった。キャプテンを頼まれたけど無理だと言った。ゲームキャプテンなら渋々了承した。でもいやだ
〇月△日
打ちやすいトスが来ない、何度言っても分かってくれない
〇月△日
先輩に言うのは気が引ける。けど言う。そうしないといけないから
〇月△日
練習試合。社会人チームと。厳しい状況の時絶対わたしにボールが来る。ブロックも来る。私だよりの戦法は嫌だ
〇月△日
日に日に責任感が強くなっていく。バレーが楽しくなくなった。やめたい
〇月△日
今日もバレーは楽しくない
〇月△日
先輩にもっと言っていいんだよって言われた。言ってたつもりだった。聞いてくんないじゃん、と思った。あとすこし
〇月△日
昨日の喧嘩みたいなのは和解した
もうあとで絞められてもいいやぁ、と思えた。バンバン言った。気にせず先輩にも言った。
〇月△日
黒鷲旗もうすぐ。プレッシャーが大きくなる。潰れそうだ
〇月△日
やっぱりバレーが楽しくない。やめたい
〇月△日
もうやりたくない
黒鷲旗の前日でノートは終わっていた。
見ていて悪い気しかしなくなった
Aの本音が知れたのはいいことだけど、こんな思いをしてたとは分かってなくて、だからこそ誰にも言えなかったことだから、内緒で見てるのはいい気はしなかった
A、今どこにいるの
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〜続編参ります〜
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作者名:りり | 作成日時:2022年5月15日 3時