分かんないよ ページ11
そんなこんなで始まった恋愛。2人でリハビリをし、挫折を味わったからこそわかる苦しみなど、2人で共感して、いつの間にかわたしも彼が一番の理解者になっていた
付き合っているのも心地よいと思うようになっていった
あ「ねー、そういえば何で付き合おうなんて言ったのさ」
高橋「好きだったからに決まってんじゃん?」
あ「はー?そんな素振りなかったけど」
高橋「え、オフの日出かけたりしてたじゃん」
あ「あれ、ただ後輩可愛がってるだけかと思った」
高橋「あほか、Aだけだわ」
あ「そうなんだ、でもよかった、なんか高橋先輩といると重荷っていうかすごく心地よいっていうか、先輩といる時だけ期待とかプレッシャーが和らぐから」
高橋「ならよかったわ」
あ「うん」
お互いに怪我を治して、また飛べるようになって、また期待とプレッシャーがついてくるようになった
けど、よき理解者がすぐそばに居ることで、抱え込まなくなった
そして高橋先輩が3年の春高。優勝した
あ「おめでとう」
高橋「ん、ありがとう」
あ「わたしも来年がんばる」
高橋「うん。俺も全日本、呼ばれるように頑張るから」
あ「うん、待ってる」
高橋「なーにが待ってるだ」
あ「ふふ、わたしも来年再来年ずーっと呼ばれるように頑張るから」
高橋「おう!」
そして卒業の日
彼はモテるからたくさんの女性に囲まれていた
そこに律儀にわたしは並んだ
高橋「は?なんで並んでんの」
あ「んー、みんな並んでたから?笑 卒業おめでとう」
高橋「うん、ありがとう」
あ「先輩」
高橋「わかってる」
あ「別れましょう」
高橋「…………」
彼は何も言わなかった
とても悲しそうな顔をしていた
以前付き合っている時にした会話がある
あ「遠距離になるね」
高橋「Aも日体大きたら?」
あ「まだ考え中」
高橋「1年待てない?」
あ「待てない。お互いそこは成長するために別れを選んだ方がいいと思う。東京と京都じゃ気軽に会えないし、会ってもたまにだし、遠すぎる。お互いの足を引っ張ると思う」
高橋「……じゃあAが進学する時迎えいくわ」
あ「その時まだ好きだったらねー」
なんて会話をしたから、高橋先輩は卒業の日が別れの日だとわかっていたと思う
彼は遠距離でもよかったらしいが、わたしが無理だと言った
だから彼は何も言わなかったんだと思う
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作者名:りり | 作成日時:2022年5月15日 3時