とても綺麗で ページ5
五条「あ、おかえり。僕も今帰ってきたとこなんだ。ご飯なにがいい?」
あ「あ・・・すみません。お世話になっててあれなんですが今日はこれを返しに来たんです」
部屋のルームキーとクレジットカードを返す
五条「なんで使わないの?1回も使ってないよね。てか返さなくていいんだけど」
あ「見ず知らずの人にお世話になるのは気が引けて」
五条「僕はAのことをずっと知ってるよ」
あ「…でももういいんです。おうちも見つかったしお金も大丈夫なので」
五条「じゃあ病院だけ行こう?その腕ずっと気になっててさ」
人差し指と中指のことだ
あ「これは平気です」
五条「お願い。一緒に着いていくから」
なんか、断れなくて病院に来ていた
「しばらく固定してなかったですよね。ちゃんと固定しないと治るものも治りません。後遺症が残るかもしれないですよ」
わかってる
ただ、この怪我のせいでギターが弾けなくなった
感覚がない。痛覚がない。動くけどただ動くだけの指
半年前に交通事故にあって最初は骨折だけかと思っていれば、そんな指の後遺症まで残ってしまった
それから上手くギターが弾けなくて、いい歌詞も出てこなくてバンドの練習をサボることが多かった。気分的に下がっていたから
メンバーは怒鳴りつけてきた
「お前は俺を助けてくれた。だから俺も助けたい!ギター弾けないくらいがなんだ。治るんだろ?ならちゃんとリハビリを…!」
あ「……ごめん」
うるさい
わかってるよそんなことは
トイレに駆け込み、もう水のようなものを吐く
あ「げほっ…、はぁ、、はぁ…」
いつから壊れたんだろう
あぁ、あの禪院直哉と関わりだしてからだ
すべてが狂っていった
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五条「手あんまり使わない方がいいよ。家事とかあとシャンプーとか僕がやってあげるからさ」
親切を向けられるとどうしても疑ってしまう
だって大人はみんなそうだから
あとから何かを求めてくる
あ「家見つかったから出てくって言いましたよね」
五条「じゃあ、通院ちゃんと行ってくれる?というか僕が連れてくね。じゃまた来週。何かあったらいつでも連絡して。あとおうちも好きなだけ上がっていいから」
ほらまたそうやって強引にルームキーを渡してくる
この人は何を考えているのだろう
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作者名:りり | 作成日時:2024年1月26日 1時