『ありがとう』と言えること (ページ15)

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最後の中体連。

結果は自分でも驚くほどボロボロだった。

優勝候補とまで言われたのに、1回戦敗退

私を襲ってきたのは形容しがたい絶望だった

お話が来ていた特待もこれで無くなっただろう。

父｢お前がちゃんと稽古を真剣にしてなかったからだろう。｣

外部指導で入っていた親父に言われた

...確かにそうかもしれない。

数日前から私はストレス解消の為に『リストカット』を始めていた

血を見ると落ち着くし、もうすぐ中間服になるし。

それでストレスを無くしていたから。

部活、家。全てストレスに感じてたんだ。

そんな事で結果が出ないのなんて当たり前なんだ。

目黒｢...お疲れ。｣

『蓮...』

目黒｢色々最後だねー、とか話したいけど...ちょっとお前こっち来て。｣

手首を掴まれそうだったから咄嗟に腕を隠してしまう。

目黒｢お前さ、バレバレ。腕。｣

強引に左手を引っ張られて見られる見にくい傷跡

1日で20箇所ぐらい切っていたから自分でも見るに堪えない光景

...蓮に嫌われる。

でも1番最初に見つけたのが蓮で良かったなんて思ってる自分もいた

目黒｢なんでこんなことしてるかは予想つく。お前あんま追い込みすぎんなよ。｣

傷を撫でながら言う。

目黒｢お前が頑張ってんのなんて俺とか、まあお前の友達だって、ちゃんと知ってるだろ。｣

『ば、馬鹿じゃねー...』

ここで憎まれ口を叩くのが私なんだから。

ほら、いつも通り振る舞えよ。

目黒｢泣きたかったら泣けって言ってんだろーが。｣

その一言で互いにが外れた様に泣いた

その事まで見越していたのか人通りが少ない場所に連れてこられていた

付き合ってる訳でもない。お互いに恋愛感情なんて微塵もない。

けど、その時だけは肩を貸してくれて。抱きしめてくれていた。