43 / 同空間の違和 ページ45
side N
やってきた "2回目" の日、
また俺らのお迎えに申し訳なさそうにする彼は
1回目とは違う晴天に、少し嬉しそうだった。
そこにはたぶん、期待もあるんだろうけど。
4人で彼を迎えに行く道中、
本当に彼が "10歳の頃の彼" と会ってしまったらどうなるんだろう、と
そんな不安の会話が4人の中で生まれた。
だって、ここまできたら
御伽噺みたいなことが起こってもおかしくないわけで。
「ちょーきれー……」
前回と同じ道を辿りながら
天井を作るように生い茂っている木を見上げて、感嘆の声を上げている彼。
期待と楽しさが増す彼と、
不安が増す俺ら。
大きすぎる違い。
「あ、バカ、ストップ、」
目の前に現れたあの景色に
また先に足を踏み入れようとする彼を
翔ちゃんが腕を引っ張って制する。
「一緒にって言ったでしょ、」
「あ、ごめん、……でもバカって言わなくたって」
「ふふ、ほら、行くんでしょ」
ちょっと拗ねる彼を、リーダーがほら、と促して
5人で一緒に足を踏み入れる。
前回は雨が降っていたから、
目の前の景色と明らかに違っていてカーテンのように見えたと思っていたけれど
今でもやっぱり、カーテンがあるかのように境界線がはっきりわかる。
それはやっぱり、
俺らがいつも感じる世界とは違う何かがあるからだろう。
透き通った木々とか、絵具で描いたように綺麗な空とか
そういうものから感じられるものもあるかもしれないけれど
やっぱり一番は、
1ヶ月前から1ミリも変わっていないことだろう。
「……会えますように」
バス停ポールに触れてそう一言呟く彼とは裏腹に
此処はどういう世界なのかと、3人と目が合う。
前回同様、ベンチに5人で腰かける。
木々も揺れているし、
雲も動いている。
でもそれらすべてが、どこか設定されているもののような。
その証拠に、流れてくる雲がすべて同じだ。
しかも本当なら今は夕方。
空は青じゃなくてオレンジのはず。
此処はもしかして、現実的なところではないのかな。
彼のように夢を見たりした人しか辿り着けない、みたいな？
「……相変わらず綺麗な場所だね、潤くん」
「うん、ふふ、綺麗」
見惚れるようにそう答える彼には
違和感は伝わらない。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - ゆえんさん» わぁぁわたしこそコメント嬉しいです、、！🥲🩷ありがとうございます✨✨ (7月6日 23時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆえん(プロフ) - ひゃーーー新作嬉しいです😭😭😭😭😭😭更新楽しみに待ってます😭😭😭😭😭 (7月6日 16時) (レス) @page8 id: d25217e7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽
| 作成日時：2023年7月6日 16時
