36 / 蘇る ページ38
side S
あれから1ヶ月ほど、グループの仕事はないけれど
その間も、ちらちらあの日の景色が脳裏に浮かんでいた。
綺麗だったな、なんて
物思いにふけってしまう。
早めに仕事が終わって、早く帰宅準備をすればいいものの
ついそれを考えてしまって手が進まない。
「……次はいつにしようかって、考えてんのかな、」
彼が、"居なくなった自分" を探すお誘い。
不思議で、少し不気味なそれは
彼にとっては大切なもの。
ひとりであそこへ行かせるのは少し心配だし
俺らのその気持ちも彼はわかっているから、ひとりで行こうとはしないだろうけど。
「まぁ、タイミングはね」
タイミングはあいつ次第だ、と
物思いにふけっていた時間を終わらせて。
せっかく早く終わったんだし帰ろう、と腰を上げると
俺の帰宅準備中はいつも楽屋の外で待ってくれているマネージャーが
慌てて扉を開けて入ってきた。
「なに、どしたの、」
「あの、今電話あって…、松本さんがちょっと、」
いつもは簡潔に用事を伝えてくれる彼が
慌てて所々言葉が抜けたように伝えてくる。
彼のマネージャーから電話があったということだろう。
「え、もしかして体調？」
倒れてからもう数ヶ月経っているけれど、
あのときのことが蘇ってきてまさかと尋ねると
少し悩んだ答えが返ってくる。
「いや、体調……ではないんですけど、いやでも…、体調なのかな、」
「なに、あ、水？」
「あ、そうなんです水関係で…、」
「あー……わかった、とりあえず行こう、確かちょっと遠いよね、急ごう」
彼の恐怖の対象の水で何かあったのか、と察すれば
体調関係だけど体調ではない、の意味がよくわかる。
彼が今日撮影しているらしいところまで少し時間がかかるし、
その上、たぶん他の3人にまだ連絡がついていなくて慌ててたんだろうな。
そうと考えれば、早く行ってあげたほうがいい気がする。
あまりないんだけどな、
個人の仕事のときに苦手な水で無茶すること。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - ゆえんさん» わぁぁわたしこそコメント嬉しいです、、！🥲🩷ありがとうございます✨✨ (7月6日 23時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆえん(プロフ) - ひゃーーー新作嬉しいです😭😭😭😭😭😭更新楽しみに待ってます😭😭😭😭😭 (7月6日 16時) (レス) @page8 id: d25217e7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽
| 作成日時：2023年7月6日 16時
