27 / 浮くような、 ページ28
side S
「えぇ…、」
「え？」
「……ほんとにこっち、？」
「待って待って、おまえが見てんだから頼むよ？」
運転してる俺の後ろで
不安げな声を出すかと思いきや。
あのサイトに載っている地図と案内の文を見ながら
自信なさげにそう言うんだから、ちょっと怖くなる。
「え、ねぇ相葉くん、合ってるよね？」
「や、俺地図ちょっと苦手だ、」
「えぇ、じゃあニノ、一緒に見て」
「いいけど合ってんじゃない？たぶん」
「ねぇなんで俺には聞かなかったの松潤、」
必死にニノに答え合わせしてもらってる松潤は
兄さんのそんな言葉は聞こえてない。
地図苦手、って回避した相葉くんの、ケラケラと可笑しな笑い声が聞こえる。
「たぶん合ってるよ翔ちゃん、」
「え、合ってんの？」
「え、なんで」
「や、だって……、」
2人が一生懸命地図を見てたときにも
事前に言われたとおり道を進んでたんだけど。
周囲に緑しか見なくなってから数十分したところで、合っていると言われる。
「だって、もう行き止まりなんだけど」
え？なんて、4人の声が重なる。
間違った？でもここ森の中っぽいし、
ここから正しい道に戻れる気がしない。
「いや、合ってる、合ってるよ。ここから歩きだ」
「歩き？……山登りでもすんの？」
「いや、山って感じじゃなくない？」
「え、ちょっと松潤、」
ニノと話していると、車を降りてしまった彼を兄さんが慌てて追う。
勝手に進んでしまうのかと思われたそれは違っていて、
車の傍に突っ立っている彼は、木に囲まれた周囲をゆっくり見渡す。
「どっちって書いてる？」
「え、あぁ、地図と案内文見る限り、あっち…、かな？」
「行ってみよ、」
ニノが指さすほうには、確かにそこだけ道のような感じにはなっているけれど
もしこれで間違っていれば、遭難と何ら変わりない。
でもさっきと打って変わって
躊躇うことなく進もうとする彼に、俺らも止めることは出来なかった。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - ゆえんさん» わぁぁわたしこそコメント嬉しいです、、！🥲🩷ありがとうございます✨✨ (7月6日 23時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆえん(プロフ) - ひゃーーー新作嬉しいです😭😭😭😭😭😭更新楽しみに待ってます😭😭😭😭😭 (7月6日 16時) (レス) @page8 id: d25217e7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽
| 作成日時：2023年7月6日 16時
