13 / 感覚を共にするには、 ページ14
side S
夜、あと2時間で日付が変わりそうな時間。
彼の家で5人向かい合う今は少し、緊張する。
「……何か、入れようか、」
「ううんいいよ、大丈夫」
話の切り出し方がわからないのか、
立ち上がって飲み物を準備しようとするから。
それを引き留めると、渋々といったように再度腰を下ろす。
「……えっとさ、」
「うん、」
「あの…、信じられなかったら、忘れてくれていいんだけど、」
「うん、？」
信じる信じない、が最初に出てくるのがよくわからなくて
4人揃って、疑問符の付いた反応しか出来ない。
「あの…、倒れてからなんだけどね、」
「うん、」
「10歳の頃の、記憶だけが…、思い出せなくて、」
膝の上で両手を握って、少し俯き気味にそう零す彼に
心配の意を持つざわめきが鳴る。
「記憶しづらいとかってこと、？」
「ううん、記憶は問題なくて…、倒れてから今まで、新しいことを記憶出来ないとかはなかった、」
「…じゃあ、忘れてる…とか、？」
「いや…、覚えてるの、倒れる前のことも、」
理解しようと、それぞれが思いつくことを尋ねるんだけど
彼の中の意味と合致しないらしく。
「10歳の、頃…だけが、」
「……その頃の記憶だけが思い出せないってこと、？」
「思い出せないっていうか……、居ないっていう、感覚で、」
「居ない？」
「記憶に…その頃の俺だけが、居なくて、」
ふざけてるわけじゃないのは、今の話す態度でわかるんだけど
その意味がなかなか理解出来なくて。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - ゆえんさん» わぁぁわたしこそコメント嬉しいです、、！🥲🩷ありがとうございます✨✨ (7月6日 23時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆえん(プロフ) - ひゃーーー新作嬉しいです😭😭😭😭😭😭更新楽しみに待ってます😭😭😭😭😭 (7月6日 16時) (レス) @page8 id: d25217e7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽
| 作成日時：2023年7月6日 16時
