139 / ふたりの時間 ページ44
side O
夕飯はケータリングで済ませて、あとはお風呂と寝るだけの形で潤の家へ。
その食事中、
“僕の食べ方、ヘンじゃない？”
ふと小さく、質問なのかどうかもわからないくらい小さく聞かれた。
きっと、食事中に気になることはもっとあって
これはそのほんの一部なんだろうけれど。
聞いてごらん、と話をしてから初めての質問に、俺らはとっても嬉しかった。
「聞けたね今日」
「ん？…ふふ、うん、」
ソファに2人で座り、ココアを飲みながら
突然零したその意図に気づいて、少し照れたように笑う。
その瞬間、少しずつ増えてきたね。
「で、その合図も初めて出来たね」
嬉しさを噛みしめていると、
突然密着するほど距離を詰めてきた彼。
翔ちゃんから聞いていた合図だと、すぐにわかった。
“傷ついた反応とかがあれば俺らにも聞いてみて”、って伝えたらしいけど
今はたぶん流れ的に、5人でのごはんのこと。
彼の中ではその反応だけじゃなくて、何か聞きたいことがあるときにも使いやすい合図になったのかも。
「……最初は、翔くんにしたほうがいいかなって、思ってたんだけど」
「ふふ、翔ちゃんは気にしないから大丈夫だよ。それに俺は嬉しいからそのまま続けて？」
「ふふ、それが理由？」
行動に起こすのに精一杯で
すぐに言葉にするのは難しいのか、そんな言葉を落とすから。
待つ間、それに乗ってみた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヲ伽
| 作成日時：2023年3月16日 17時
