五月雨とアフォガード -3- (ページ39)

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side M

数十分待っていると、

3人がまとめてやって来た。

「ごめんお待たせ、遅くなった」

「ううん、ありがとう」

「ぁ、ありがと、…ごめんね、」

「んーん、大丈夫。落ち着いた？」

「…ん、」

そっと髪を梳いてくれる手が優しくて

3人の表情も優しくて、迷惑って思われてないのかも、って確認出来る。

意識してくれてるのかな。

僕が表情で判断して思い込んじゃうことを知って。

「とりあえず潤の家帰ろうか。俺潤の車で行くから、相葉くんニノの頼むね？兄さんは潤の隣で」

動き出す景色と共に、

クリニックが遠ざかっていく。

いつかと、同じだった。

やめよう、ダメ、って思いながら通うのをやめられなかったとき。

すぐ傍にニノが居るんだから話せばいい、って頭ではわかっていたのに

どんどん欲に支配されて、どうしても抑えられなくて。

でもひとつ違ったのは、

辿り着いたクリニックが、以前よりも恐ろしい場所に見えたこと。

良い面として見ることも出来るけれど

悪く言えば、

救いを求めた先まで恐ろしくて、前後左右真っ暗になってしまったように思えた。

本能でも恐ろしい場所だとわかっているのに

どうして行ってしまうんだろう。

自分が自分じゃないみたいに、

まるで他人事みたいに答えがわからない。