五月雨とアフォガード -3- (ページ3)

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100 / ランダムな視界の始まりページ3

side M

人と居るのは怖い。

それは相手が誰でも一緒で、メンバーもだとみんなにバレてると思う。

でも今は

ひとりになって、またあそこへ行ってしまうかもしれない自分も怖い。

僕の中の矛盾に慣れないままベッドへ横になり

眠れないかと思っていた脳は、疲れていたのかすぐに眠れた。

寝返りをうった衝動で目が覚める。

辺りは真っ暗。

もしかして長時間寝てしまったかもしれない。

みんなにリビングに居てと頼んだのに、ひとりだけそんなに寝てるなんて何か思われそうで怖い。

謝らなきゃ、と身体を起こしたものの

まだ、辺りは暗い。

「……あれ、」

何か不思議で

目の前で手を動かしたはずが、それが見えなくて。

「ぇ、なんで……まって、うそ、」

両手で顔を覆ってみても、暗さは変わらない。

見えてない？

僕、今、目が見えてない。

「え、うそ……スマホ、…ぇ、どこだっけ…まって、」

脳内に突然いろんな情報が入ってきて、騒々しくなる。

あんなこと、みんなに話したからかもしれない。

迷惑かけたからかもしれない。

本当はみんなも疲れてるかもしれない。

ぐるぐる、ぐるぐると

脳内でそんなことが巡る。

一瞬、ほんの一瞬

過った ”クリニック” の言葉が、余計に心の喧騒をうるさくする。