09 / 知ってる中の知らないこと ページ10
side N
新曲のPV撮影。
交代を告げられて、楽屋に戻ろうか悩んだけれど
すぐ傍に潤くんと翔ちゃんが居るから、そこで待つことにしよう。
「ね、松潤」
「ん？」
「疲れてる？」
近づけば、ふたりのそんな会話。
「え、僕疲れてるように見える？」
突然のそんな言葉に、潤くんも驚いたように答えてて。
翔ちゃん今日、潤くんのことめちゃくちゃ気にかけてるな。
「別に顔色悪く見えないけどね、」
「あ、ニノ、……うん、僕も別に疲れてるわけじゃないんだけど」
「そっか、……や、最近忙しいのかなと思って」
「んー、あんまり変わんないかなぁ、」
空いていた翔ちゃんの隣に腰を下ろし、ふたりの会話を観察。
なんてことなく答える潤くんに、翔ちゃんもそれ以上聞くことはなかったらしく。
スタッフさんに呼ばれて行った潤くんを横目に、
未だ見つめる彼へ問う。
「なに、好きにでもなったの？」
「ふは、違うよ」
「んふ。でも今日気にかけすぎよ」
「や、さぁ……楽屋前で見かけたんだよ、今日」
「潤くんを？」
単に心配なだけかと思ったら、しっかりしたエピソードが始まる雰囲気に
視線まで彼へ引っ張られる。
「そう。なんか背中がすげー沈んでてさ、その上ひとつ息吐いてから楽屋入んの。そりゃ気にもなるよね」
「……緊張してたの？」
「や、緊張…、なんだろ、わかんないんだけどさ」
それまで気にしすぎだと思っていた感情が、伝染した。
つい、潤くんを視界に入れる。
そんな変わんないように見える。
「……疲れてんのかな、」
「結局そこに辿りつくよね」
「うん、それしか思いつかない」
「まぁ俺の気にしすぎってこともあるかもなんだけど」
いつもの笑顔でスタッフさんに笑いかけて
一緒に撮影してるリーダーとも楽しそうに会話して。
別に、疲れてるようにも見えない。
「……今日、誘ってみる？」
「夜？」
「うん。確かみんなこれで終わりだったでしょ」
「そうね、……うん、久々だし」
単純に、久々の5人飲みでもしようかって。
俺らの気にしすぎならそれでいいし、
もし疲れてるなら、気晴らしにでもなるんじゃないかな。
10 / “素敵に見える”→←08 / 貴方のいいところは知ってるけれど
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - Kazue Akasakaさん» コメントありがとうございます✨『らしい』という言葉がとてもうれしいです、、！楽しんでいただけるようにがんばりますので、ぜひお付き合いよろしくお願いします🥰 (2022年11月24日 14時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
Kazue Akasaka(プロフ) - こちらでのコメントは初めてさせて頂きます。ヲ伽さんらしい繊細なお話で続きが楽しみです。 (2022年11月23日 19時) (レス) @page5 id: fbdba45f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽
| 作成日時：2022年11月23日 18時
