22 / “あなたの長所は” ページ23
side M
” おまえは優しすぎる ”
” そんなんじゃスタッフも甘えてしまう ”
” 気遣ってばかり居るな ”
” 優しさは、短所にもなるんだ ”
「…………残るなぁ……」
いつもの非常階段の踊り場。
端っこに腰を下ろして膝を抱えて座る。
項垂れるように膝に頭をくっつけるけれど、あの人の言葉がずっと残ってる。
言ってることはわかる。
というか、正論。
仕事では思いやりは仇になることがある。
商売にならないこともある。
だから、仕事では気遣ってばかり居ちゃダメ。
正論だ。
でも。
「………短所……って、……言わなくても、」
昔から、”あなたの長所はどこですか” っていう質問が苦手だった。
僕の長所なんて見つけられなかったから。
でも、少しだけ、ほんの少しだけ自信を持てたのが、”人への思いやり” 。
自分が傷つきやすいから、相手をこんなふうに傷つけたくない、って
いつも気遣ってきた。
控え目に言ってこれかな、って唯一言える僕の長所だと思ってた。
それを、
短所って。
「…………優しくして、とか、……思っちゃダメだな、」
傷つくのって、結局は期待してるからで。
優しくしてるんだから僕にも優しくして、なんて思ってたのかもしれない。
僕が勝手に気遣ってるだけなのにね。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - Kazue Akasakaさん» コメントありがとうございます✨『らしい』という言葉がとてもうれしいです、、！楽しんでいただけるようにがんばりますので、ぜひお付き合いよろしくお願いします🥰 (2022年11月24日 14時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
Kazue Akasaka(プロフ) - こちらでのコメントは初めてさせて頂きます。ヲ伽さんらしい繊細なお話で続きが楽しみです。 (2022年11月23日 19時) (レス) @page5 id: fbdba45f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽
| 作成日時：2022年11月23日 18時
