12 / ゆらゆら ページ13
side O
「遅くね？」
翔ちゃんが、そう一言落とす。
「遅いねぇ、」
「おなか痛いのかな」
枝豆を弄りながら共感するニノと、
汗ばむグラスを口に近づけながら心配する相葉くん。
「ちょっと見てくるわ」
俺も心配になってきて、腰を上げる。
彼はいつも途中抜けるから、まぁいつものことなんだけど
今日はなんか心配。
いつもより遅いし。
「なんかあったら電話してね」
「ん、りょーかいー」
当たり前にトイレに向かったけれど
出てきたのは違う人で、中にも誰も居ない。
そうか、トイレ行くとは言ってないな、あいつ。
頭冷やしに行ったのかなぁ、なんて思って外に出る。
10月、生温い風が吹く。
数多の店から漏れる光。
無意識にそれとは反対側へ向かい、店の傍の路地を覗く。
薄暗く、目を凝らさなければ見えないくらい光はない。
そこに、パーカーのフードを被って蹲る人。
松潤だ。
「え、おい、」
理解するよりも先に、焦りと心配が沸き上がってきて
彼に駆け寄り勢いよく肩を掴む。
「あ、リーダー…………、え、リーダー、なんでここ居るの」
感情を失くした表情で、俺を捉えた瞳は揺らいでいたのに
我に返ったように反射的に表情を作った彼。
「………気分悪いの？大丈夫か、」
「……ふふ、大丈夫、ごめんね戻るの遅くて」
フードを外し、立ち上がろうとする。
でも力が入らないのか、二度ほど力を入れなおしていた。
「……どうした、体調悪いの？」
「ふふ、違うよ、」
「でも、」
「だーいじょうぶ、ふふ、心配しすぎ。飲みすぎただけだよ」
ほら戻ろー、って手を引かれるけれど
濁されたのはわかる。
おまえ、そんなに飲んでなかったじゃん。
疲れてんのかな。
最近仕事立て込んでるって言ってたしな。
松潤のことだから、誘われると断れないのかも。
俺らであっても。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - Kazue Akasakaさん» コメントありがとうございます✨『らしい』という言葉がとてもうれしいです、、！楽しんでいただけるようにがんばりますので、ぜひお付き合いよろしくお願いします🥰 (2022年11月24日 14時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
Kazue Akasaka(プロフ) - こちらでのコメントは初めてさせて頂きます。ヲ伽さんらしい繊細なお話で続きが楽しみです。 (2022年11月23日 19時) (レス) @page5 id: fbdba45f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽
| 作成日時：2022年11月23日 18時
