26 / 響く、響く ページ27
side M
「松潤？……潤っ、」
リーダー、また潤って呼んだ。
心配しすぎなんだよ。
大丈夫なのに。
この数週間、そう思ってた自分が
今の自分とは別に居るような、ふたり居るようなそんな感覚で
他人事みたいに自分を見てる。
「潤くんっ、どした？」
「潤、こっち見て、」
どうしよう、どうしよう、とそればかり考えて
震える手を俯いて見つめていたところに
みんなの焦ったような声が聞こえる。
促されるまま顔を上げれば、みんなの顔はさらに焦った顔になって。
「おまえ顔色悪すぎるよ…っ、どうした、気分悪い？」
「松潤、手震えすぎだよ、ちょっと触るね？」
「松潤足も震えてるよ…、ねぇ、一旦腰下ろしてごらん、しゃがむんじゃなくて」
「ほら潤くん、俺うしろから支えてるから、ね」
いろんな言葉が、いろんなところから降ってくる。
違うんだよ、僕仕事しに来たのに。
行かなきゃ、もう収録始まっちゃう。
でも。
” 短所になる ”
昨日の言葉が抜けない。
だって。
また、何か言われたら。
「…………は……っ、」
「……っ、潤、こっち向いて。俺見える？」
嫌なものに思考回路が支配されそうになったとき
無理に頬を掴まれてリーダーと目を合わされる。
「大丈夫、何も考えなくていいから。変なこと考えないよ」
「……っ、り…っだ、」
「うん。深呼吸しよう、吸って吐くの。それだけ考えてごらん」
大袈裟に深呼吸してくれるそれがわかりやすくて、
つられるように深呼吸する。
背中や腕、頭。
いろんなところにみんなの温もりがある。
安心する。
「……ちょっと落ち着いた？」
「……し、ごと、」
「いいから。一旦楽屋戻ろう」
脳内は仕事のことばかり。
だって、行かないなんて怒られるよ。
行かなきゃ、仕事しなきゃって
ずっと考えていたのに。
ソファに座らされて、前に立ったままのリーダーに抱きしめられたら
突然のそれに、そんな思考がふと止まった。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - Kazue Akasakaさん» コメントありがとうございます✨『らしい』という言葉がとてもうれしいです、、！楽しんでいただけるようにがんばりますので、ぜひお付き合いよろしくお願いします🥰 (2022年11月24日 14時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
Kazue Akasaka(プロフ) - こちらでのコメントは初めてさせて頂きます。ヲ伽さんらしい繊細なお話で続きが楽しみです。 (2022年11月23日 19時) (レス) @page5 id: fbdba45f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽
| 作成日時：2022年11月23日 18時
