page20.深い瞳 ページ21
智side
" 収録中はいつも通りお願いします "
スタッフが呼びに来た後、松潤は俺らにそう言った。
とにかくその場から逃げたかったらしく、
この言葉のあとすぐに、ひとりスタジオへ向かって行った。
そんな彼の後ろ姿を見ていた俺らに、相葉ちゃんが口を開いた。
「…ごめんね、キツいこと言って」
きっと、さっきの言葉のことだろう。
怒りのままに出た言葉なんだと、俺らは分かってた。
だからこそ、本音だということも。
「ううん、大丈夫。俺らも悪いから」
俺が代表してそう言うと、翔くんとにのは苦笑いで頷いた。
それにホッとしたような相葉ちゃんは、
何の拍子かきちんと俺らに向き直った。
「…このことがみんなに知られた今、潤が前のようにみんなと絡むには時間がかかると思う」
「…」
「…でも、分かってやってほしい。あいつから話せるようになるのを、待ってやってほしい」
いつもの相葉ちゃんからは想像も出来ないほど真剣な瞳で、深く頭を下げた彼。
" 俺からは話したくない "
松潤を思うからこそのそんな気持ちが伝わってきた。
「うん、分かった」
翔くんとにのが、今度は本当の微笑みで俺の方を見てきたから
相葉ちゃんに頭を上げさせ、そう言った。
…きっと相葉ちゃんは、俺らがまだ理解出来ていないことも分かってる。
.
.
.
「…くぅッ、上手いッ」
朝から晩まで詰め詰めだった仕事が終わり、
家でひとり酒を呑んでいるとメールが入った。
【 今から翔ちゃんと大野さん家行きます 】
普段と変わらない、急なにのからのメール。
違うのは、今朝180°変わった日常と
俺ら3人に漂う雰囲気だろう。
.
「いらっしゃい」
「おじゃまします」
「智くんごめんね、急に」
「んや、いいよ」
2人が予想よりも早く来て、テーブルに広げた酒を片付けられなかった。
でも俺は2人を呑みに誘うことはなく
無言で酒をキッチンに片付けた。
…酒の力を借りていいことじゃない。
「…単刀直入に話すけど」
それぞれ椅子についてから、翔ちゃんは松潤とのことを話し出した。
1週間程前のことと、一昨日のこと。
そして、今日俺らが来るまでのこと。
「…翔くんが松潤の様子を心配して言ったことが、松潤には違う風に捉えられたってことか」
「潤くんにどう伝わっちゃったんだろう」
「ていうか、松潤と相葉くんの関係性も…」
俺らには、2人について分からないことがたくさんあった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 208人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つ む ぐ(プロフ) - さくらさん» さくらさんコメントありがとうございます^^*楽しみにしていただいてるなんて嬉しいです(；＿；)Instagramは、@172cm_08 で検索して頂けると出てくると思います！ (2018年6月7日 22時) (
レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - つむぐさん、いつも楽しみにさせていただいてます！つむぐさんのinstagramってなんと検索すれば見れますか？ (2018年6月7日 22時) (レス) id: 88d13a9eaa (このIDを非表示/違反報告)
つ む ぐ(プロフ) - 雅宗 潤美さん» わぁ〜雅宗さんありがとうございます！嬉しくてニヤけちゃいました( 笑 )世界観を好んで下さるのはすごく嬉しいです！頑張ります！ (2018年3月23日 12時) (レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
雅宗 潤美(プロフ) - つむぐさん！やっぱりつむぐさんの書く小説好きです♪わかりやすくて世界観を想像しちゃいます♪更新頑張ってください！ (2018年3月23日 2時) (レス) id: 06b5a4e25a (このIDを非表示/違反報告)
つ む ぐ ∴亀更新∴(プロフ) - さくらさん» 前作に続きコメントありがとうございます^^がんばります！ (2018年3月8日 1時) (レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つ む ぐ
| 作成日時：2018年2月20日 12時
