1034 / 恐れ ページ15
side S
歩き疲れて
冷え疲れて
泣き疲れた彼は
診察中でも、
揺れる車内でも起きなかった。
家に着いた21時、
彼を離せない俺らは、ソファで目覚めを待つけれど
ニノが抱きしめる彼は、一向に目を覚まさない。
食欲なんて湧くわけもなく、
風呂なんて入る気になるわけもなく
夜通し2時間交代で彼を見守った。
何か意図があって2時間とかじゃない。
お互いの体調を思ったわけでもない。
誰もが、彼を確かめないまま寝ていられなかった。
智「………何時？」
「………10時、」
翌朝、いつもより2時間遅い。
起床時間は体調のために、この家に来て2年
体調不良や心の不調以外、必ず守ってきた。
この子の体内でも習慣化はされてるはず。
だから起きないのは、
あきらかな不安定からのものだとわかる。
雅紀「…………起きるよね、」
「大丈夫、起きるよ」
和也「………相葉くん、大丈夫だから」
相葉くんが誰より責任を感じてるのはわかってた。
生きてるかどうか不安と恐怖を感じたのはみんな同じだけど
相葉くんはそれに、責任を感じてた。
震える彼の手を、ニノがそっと繋ぐ。
そのニノの手も、震えてる。
彼が生を選んでくれてから
俺らの傍に居ない瞬間なんてなかったから。
ふわり、
瞼が開く仕草が
心をうるさく静めていく。
和也「潤くん、……潤くん、わかる？」
瞳がゆっくり4回動かされる。
傍に居ることを確認したあと
そっとニノへ擦り寄る仕草が、どうにも涙を誘う。
一瞬でも ”いつもの” 彼が居ることに、安堵した。
「潤、苦しくないかな、…………ん、よかった」
智「寒くない？…………うん、よかった、ありがとう」
雅紀「ん…？………うん、手つないでるよ、大丈夫」
首を縦に振ったり、仕草だけで伝える彼に
まだ言葉は出づらいのかなと心配になる。
それでも、少しの間そのままで居ると
突然キョロキョロと辺りを見渡し始めて。
和也「どした…？潤くん、どうしたどうした…」
潤「………………ここ…っ、ここ…っ、おうち…っ？じゅんのおうち…っ？」
和也「うん、ここ潤くんとかずたちのおうち。
……………大丈夫、おいで、一緒に確認しようね」
自分があの家に向かってしまったことをわかってるんだろう、
ここがあの家じゃないかどうか不安な様子。
自分が母親に支配されたことも、きっとどこかでわかってる。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» たくさん祝ってあげてください〜！( 笑 )ふたりとも安心です☺️ (2021年11月22日 13時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - aracick5963さん» こちらこそいつもありがとうございます🥰お互いがお互いへ、まさに木漏れ日の5人のことだって思いました🤭 (2021年11月22日 13時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 姫ちゃん！！やっと歩けた！！万歳三唱したい！なんなら胴上げも！(←)大変だけど一歩一歩着実に確実に進んでる姫ちゃんは凄い！相葉ちゃんもよく頑張りました笑笑もう怖くないね。大丈夫だね！よかったよかった！ (2021年11月20日 18時) (レス) @page45 id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
aracick5963(プロフ) - 更新ありがとうございます。「愛他」の意味しらべました。まさに潤ちゃんの事やん。いい意味で本能的なのかと。計算したりせずに。でもそれは兄ずも姫もおなじで。意味をふまえて読んでもやっぱり😭。姫が元気になりそうでうれしい🥰 (2021年11月14日 19時) (レス) @page43 id: b2c4870f8a (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 悪くない！むしろ良き良き(←)眠いのに眠くないってぐずる姫ちゃんの可愛さよ。笑それに対しての翔くんの眠くないねって返しが辛みすぎて辛い(←)姫ちゃんの可愛さを兄ズたちにはずっとなんなら永遠に語っていてほしい櫻宮でした。笑 (2021年11月14日 8時) (レス) @page36 id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2021年10月8日 19時
