木漏れ日より、愛を込めて -20-

888 / 零れてしまうから ページ39

side N




たくさんわかったんだよって

うれしそうに話してくれた昨日。




今日もすると思うから

どうやって教えようか、なんて考えるお散歩後。




昨日もお散歩後にやったみたいだから

時間帯的に同じ方がいいかなと思ってこの時間。

そろそろだろうなぁなんて思いながら飲み物準備していれば。




潤「ん……っ、ふっ、んく…っ、かずー……っ、」

「わ、どした？どしたどした……おいで？」




ソファに座っていたはずの潤くんが傍に居て

両手で目を擦って、ひくひく肩が動いてる。




だっこすれば、ぎゅうって抱きついてきて

肩に顔を埋めてしまって。




「大丈夫大丈夫、かず居るよ、」

潤「んっ、かず…っ、かずー……っ、」

「うんうん、大丈夫、かず居るからね」




数分間だっこして揺れてあげれば

徐々に落ち着いて、顔を上げてくれて。

まだ少しひくひく動くけれど、ちょっとずつ零してくれる。




潤「………かず…、」

「うん、どした？」

潤「………………おはな……みたの、…おべんきょ…おはなし…っ」

「うん、お勉強のお話しようと思ってお花見たのね？」

潤「んっ、そしたら…っね、あの…っ、じゅうの…かたち、わかるのに…っ、わけるの、わかんないの…っ、
きの…っね、わかったの、わかったのに……っ、なんで…っ」




あぁ……そっか、昨日わかったことが分かんなかったのか。




勉強した日は、報告として教えた人から話を聞くようにしようって

昨日決めて、2人から話を聞いた。

10の形はすぐにわかったけど、分けることはやっぱり1回では難しかったみたいで

昨日1時間使って理解出来て、すごく喜んでたって。




昨日やっと分かったのに、

それがまた分からなくなってしまったことが

ひどく悲しさを生んだんだろう。

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