木漏れ日より、愛を込めて -20-

854 / 精一杯の愛 ページ4

side O




翔「ふふ、ほら、リーダーとお着替えしてくださーい？」

潤「んふ、はーいっ」




着替える定位置のソファの前に降ろしてあげた翔ちゃんは

ポンポン、と潤ちゃんの頭を撫でてから、鞄を漁る。




そんな翔ちゃんを不思議そうに見てる潤ちゃんを着替えさせてあげてるけど

鞄の中からパソコンを取った翔ちゃんを、またまた不思議そうに見つめたまま。




着替え終えると、

ダイニングテーブルにパソコンを置いた翔ちゃんのところへ

トテトテと。




潤「しょおくん？？」




キョトンとしながら、コテン、と首を傾げて

パソコンが立ち上がるのを待ってる翔ちゃんを見つめる。

あまりにかわいく呼ばれた翔ちゃんは

ゆるゆるな顔。




翔「ふふ、なぁに？」

潤「しょおくん、ぱそこん、する？？」

翔「うん、ちょっとねー、今日はおうちで片付けなきゃいけないお仕事があるの」

潤「わ、しょおくんおしごと……おれ、しーってしてるね？？」

翔「ふふ、ありがと潤、」




コク、って頷いた潤ちゃん、今度はトコトコ俺の所へ戻ってきて

目の前にちょこんと座って、ヒソヒソと。




潤「りーだ？しょおくん、おしごとするんだって、しーっだね？」

「ふふ、そうね、しーってしてよっか」




ニコニコ頷いて

おとなしくお花の本を読み始める。

ときどきチラチラ翔ちゃんを見る瞳は、心配そう。




潤「……………しょおくん、おしごと、」

「うん、そうだね、お仕事」




しんどくないかなって心配なんだろうな。

30分に1回くらいは覗き見てる。




潤「………………あ、」




そんな調子で、潤ちゃんに見守られながら2時間パソコンと向き合った翔ちゃんは

ちょっと首が痛い様子。




そんな翔ちゃんを見た潤ちゃんは、眉を下げてしゅんとしてる。

潤ちゃんが考えてるときに出る癖で、かわいいおくちがむぅってなるのも出てて。

何考えてるのかなって見つめていれば、パッと俺を見て。




潤「りーだ？コーヒー、いれてあげたい、」

「ふふ、いいね、いれてあげよっか、おいで？」




彼が一生懸命考えて出した答えであろうそれを叶えるべく

手を取りキッチンへ。




潤「どやって、するか、おしえて…？」

「うん、一緒にやろうね」




こういう瞬間を見ると、一人暮らしは結構な負担だっただろうなと思う。

知らないことがたくさんあるけど、誰にも聞けなくて。

どうやってたんだろうと思うけど、それは彼が零せるときに聞けばいいから。

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