木漏れ日より、愛を込めて -20-

871 / 特質 ページ21

side A




潤「………ね、……どやって……おべんきょ、するの…？？」

翔「んー………そうだねぇ…、
……あ、じゃあさ、ひとつ聞いてもいい？」




ホッと安心してわかってくれた潤ちゃんからの質問は

翔ちゃんにおまかせする。

勉強の教え方とかは、確実に翔ちゃんが考えた方がいいと思うから。




潤「なぁに…？」

翔「翔くんたちね、潤がお勉強苦手なのかなって感じなかったの。
今までさ、周りの人のどういうのを真似してたのか教えてくれる？」

潤「んっと……きかい、つかった、」

翔「あ、えっと……これかな」




携帯で電卓の画像を見せると

うん、ってひとつ頷く。




潤「みんな、それつかうの、
でもおれ、みんながそれ、つかわなくてもできてることも…できなくて、
きかい、つかって…やった、」

翔「………これ使ったら出来たの？」

潤「ん？？うん、できたの、」




みんなが暗算でも出来ること、っていうのはきっと一桁や二桁の足す引くの計算のことだろう。

でもそれを電卓を使えば出来るってことは

仕組みはわかってるってこと？




たぶんみんながそう不思議に思っていて

翔ちゃんも携帯を見ながら、じっと考えてる。




翔「わかった、ありがとう。
潤にどんなやり方が合うか考えるからさ、ちょっと時間もらってもいい？」

潤「うん、ごめんね…？」

翔「ふふ、謝んないの、」

潤「でも……」




自分が苦手だから、って

いかにもそう思ってて申し訳なさそうな彼を見て

リーダーがそっと髪を梳く。




智「ね、潤ちゃん？お約束しよっか」

潤「おやくそく…？」

智「うん、お勉強のことで謝んないこと、ってお約束しよ？」

潤「………………でも、おれが……できない、から…」

智「ううん？ほら、最初は出来なくて当たり前だよって言ったでしょ？
だからね、潤ちゃんがごめんねって思う必要ないの」

潤「…………………こまらない……？」

智「うん、困らないよ？
潤ちゃんがね、出来なくてごめんねって謝っちゃう方が、リーダーたち悲しいよ」




そっか……ってちょっと考えて

今度は手を握ってくれるリーダーの手を、きゅって握り返す。

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