木漏れ日より、愛を込めて -20-

864 / そっと ページ14

side O




とある日。

胸に手を当てて

難しい顔する潤ちゃん。




今やっと、その表情は

みるみるうちに笑顔になって。




潤「もうどきどきしてない…っ！」




ずっと、ゆっくりダンスの練習をしてきて

ついに、3曲。




潤「わぁっ、みっつ、おどれるね…っ！」

和也「ふふ、そうだね？よくがんばりました〜！」




わしゃわしゃってみんなで撫でてやれば

ニコニコたくさんうれしそう。




3曲、途中に30分休憩を挟みながら練習して

最後、1時間半の休憩を取れば、ドキドキもしないみたい。

連続的に踊るのは難しいけど、間を挟めば踊れるなら

すごい成長だ。




「ふふ、潤ちゃんたくさん出来ること増えたね？」

潤「うんっ！みんなのおかげっ！ありがとっ！」

翔「んーん？潤ががんばったからだよ〜？」

雅紀「いっぱいがんばったもんねぇ潤ちゃん、」




褒められれば

くふふ、って肩を竦めて笑って。




少しずつ出来ることが増えるのが

とてもうれしいみたい。

それは、俺らも同じ。




和也「じゃあゆっくり準備して帰ろっか、ね？」

潤「うんっ、…………ねぇねぇ、あした、おやすみ？」

「明日は潤ちゃんお休みだね〜、リーダーとかずは午前中だけお仕事だけど」

潤「んー…………じゃあね、あれする、さくらさんの…」

翔「あぁ、写真？」

潤「うん、つぎ……いつか、きめられないけど…」

雅紀「うんうん、いいね、しよっか。撮るだけでも楽しいもんね？」

潤「ふふ、うんっ」

和也「あ、じゃあさ、せっかくだし本みたいにしようよ」

「いいじゃん、さくらさんに見せたあとも飾れるもんね」

潤「………？？？」




きょとん、って顔してる潤ちゃんに説明してあげれば

途端に楽しそうな顔をして。




翔「ふふ、潤の説明付きだともっといいかもね？」

雅紀「ほんとだ、このお花はこんなのだよーって」

潤「わぁっ、すごいねっ、してみたいっ！」

「ふふ、明日の午後みんなでやろっか、」




キラキラと、もう既に楽しそうな彼を見てると

どうにも抱きしめたくなる。




くふ、ってうれしそうに背中に回ってくる腕が幸せで

1週間前に知った、6年、っていう年月は大切にしまっておこうと

そう決めて正解だと思った。

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