10 / Draw to a close ページ13
side O
「翔ちゃんごめん、遅れた」
「ん、あぁ……智くん、」
「どう？」
「んー………ちょっと、熱っぽい…、」
あれから1週間、ずっと熱っぽさが続いてる彼を訪ねると
ソファに寝転び、怠そうな姿。
額に触れれば、微妙に熱い。
「熱っぽいんじゃなくて熱あるのよあなた、」
キッチンから顔を出した和が
マグカップを手にし、
困ったようにそう言いながら寄ってくる。
「こんなの、気合いじゃん……」
「気合いで治るなら1週間も続かないよ、ねぇさとくん」
「んふ、まぁそうね」
片腕で両目を覆い
んんん、って怠そうに唸る彼を撫でてやると
ふぅ、とひとつ息を吐く。
「……………………智くん、和、」
「ん？」
「どしたの、」
20年、と
眠る両親の前で零してから
ずっと何かを考えてる様子だった。
和の手も加わって撫でれば
小さく、小さく。
「……………………ケリつけたい、」
小さく、小さくそう口が動き
小さく、小さくそう零される。
覆われた両目は
どんな色をしているんだろう。
「………………翔ちゃん、」
そっと腕を外すと
黒く濡れた瞳。
「………………迷惑かけると思う、」
「………、」
「この立場だけは………、
利用しちゃいけないって、わかってたんだけど…っ、」
震えてきた瞳を感じて
また覆おうとするから。
それを阻止しようと
和と俺の手で、彼の腕を同時に掴む。
「そんなことないよ、」
「思う存分使おうよ、それでちゃんとケリつけよう」
”ごめん”、と
いつも言われるけれど
ひとつ涙を流して
柔らかい表情で、頷いてくれた。
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櫻宮 - もちろんです！Part2も楽しみにしています！ (2021年9月20日 17時) (
レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます！Part2でもぜひよろしくお願いします´`* (2021年9月20日 0時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 彼は彼らは何を思うのか何を感じるのか、続き楽しみです！ (2021年9月19日 21時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - いよいよ折り返し地点ですね。続き楽しみです！ (2021年9月8日 18時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 最後の言葉を彼は分かっていた。だから彼は会いに来た。うーん、何だかなぁ。腑に落ちないというか何というか、、笑更新楽しみです！ (2021年8月26日 17時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2021年2月19日 17時
