07 / 貴方の存在 ページ8
side J
1本目の収録が終わり
2本目まで、数時間の空き。
煙草を吸いに行った4人とは別れ
ひとり、楽屋に戻る。
無意識につけたテレビには
ハニートラップされた相葉くんの件をやってた。
「…………………仲良い…ね、」
仲がいいとは聞いていた、と
芸能リポーターがそう伝える。
この件でザワつく世間。
「……………嘘のコメントは明日かな」
徐に携帯をいじったとき
ガチャ、と扉が開く音。
「あれ、なりくん」
だるそうに入ってきて、
俺の膝に寝転ぶ彼。
いつものこと。
「潤くーん、」
「煙草吸いに行ったんじゃなかったの？」
「んー……、……彼女の話しだしたから抜けてきた」
「………そう、」
はらりと落ちる俺の前髪を
人差し指に巻き付けて遊んでる。
ふと絡んだ視線が
この部屋の温さと相まって
火傷しそう。
「ねぇ潤くん」
「ん？」
「…………変わらないでね」
1ミリも逸らさず、
人差し指を止めて零されたそれは
自分の心を見抜かれたのかと思うほど、
同じで。
「…………変わらないよ一生、……なりくんこそ変わらないでよ」
「変わんないよ、」
「………………なんて言うかなぁ、」
「何が？」
「…………みんなに、アセクシュアルだって話したら」
止まっていた彼の人差し指が
また、動き始める。
「…………………まずなんだそれって言われるだろうね」
「ふは、そうだね」
「そのあと説明しても、そんなことないだろって」
「うん、ありそう」
「愛がないとか思われんだろうなぁ…」
他人に対して
性的欲求や、恋愛感情を抱かない。
それが、アセクシュアル。
意識的じゃない。
ただ、周りが自然に恋愛し始める頃
俺達には、それがなかった。
全く。
気づいたのは、高校生の頃。
なりくんが、「俺らこれかもしれない」って。
「ちゃんと愛はあるよって」
「ね、……俺潤くんのこと好きだもん、大切だよ」
「ふふ、うん、俺もなりくんのこと好きだよ、大切」
人を大切に思う気持ちはちゃんとある。
だけど
それが恋愛に繋がらない。
一人ならきっと
ダメだった。
欠落してる人間なんだと思い込んでた。
それでも、
2人で居続けてきたから。
一人じゃないと、思えたから。
08 / 無いものの在り処 ※変更アリ→←06 / そうだと思って
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櫻宮 - 嫌な展開になりまくってる気がするのは私だけでしょうか。。(^^;)確証も何もない中彼が、彼らが見るのは天国か地獄か。続き気になる！ (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - もちろん楽しみに待っています！ (2020年11月21日 13時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます´`*！これからも楽しみにしていただければうれしいです〜(*^^*) (2020年11月21日 0時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 犯人が彼らでないにしても何という残酷な。。まさに開いた口がふさがらないです。続き気になる！ (2020年11月20日 19時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - え！？どういう。。？？続き気になる！ (2020年11月17日 21時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年10月5日 18時
