17 / オワリノハジマリ ページ18
side N
2009/10/04
18時、仕事終わり。
ケータリングにあったチョコケーキ2つを手に、オフの彼が待つ家に帰宅する。
潤くん好きだし、今夜のデザートにしようって
喜んでくれるだろうなって
見た瞬間に、そう浮かんだ。
でも、帰るよ、っていつも通り潤くんに連絡しても
返信が来なくて。
書類溜まってるとか言ってたから集中してるのかな、なんて
ちょっと寂しくなりながらマンションへ戻る。
エレベーターから降り、
部屋への角を曲がるところで
もう一度返信の確認をしようとすれば、手から携帯が滑り落ちて。
「あちゃ…、」
この前も落として壊れて、潤くんに怒られたことを思い出して
慌てて拾う。
幸い、外側には傷ひとつ無くて。
内側の確認をと開くと、待ち受けに潤くんとのツーショットが表示される。
旅行に行った時の写真。
また行きたいな。
お互いのことを考えて、人混みと日没前は外出を避けるけれど
その後の、夕暮れ時の人が少ない時間帯に2人で歩くのは
世界に2人だけみたいで好き。
………って、潤くんの受け売りだけど。
でも、どこに行っても思う。
夕暮れ時、人気のないところは
俺たちの特別な場所。
それが何処であろうと、特別な場所になる。
「行こうって、誘おうかな」
そんなことを考えながら、
携帯をしっかり握りしめて曲がった角の先には
彼が待つ家の玄関が、少し開いていて。
「………あれ？」
閉口を阻んでいるのは、潤くんの靴のかかと。
急いで入ったのかな、
でも用心深い潤くんなのに、
そんなことを考えながら取っ手をつかみ、
玄関を開ければ、
その先に。
.
「……………………………潤くん……？」
.
うつ伏せで横たわる潤くんの傍には
赤く赤く、夕暮れより紅く
真っ赤に染まる、血。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 342人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻宮 - 嫌な展開になりまくってる気がするのは私だけでしょうか。。(^^;)確証も何もない中彼が、彼らが見るのは天国か地獄か。続き気になる！ (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - もちろん楽しみに待っています！ (2020年11月21日 13時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます´`*！これからも楽しみにしていただければうれしいです〜(*^^*) (2020年11月21日 0時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 犯人が彼らでないにしても何という残酷な。。まさに開いた口がふさがらないです。続き気になる！ (2020年11月20日 19時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - え！？どういう。。？？続き気になる！ (2020年11月17日 21時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年10月5日 18時
