484 / 何処に。 ページ40
side A
12月に差し掛かった、とある日。
その日は俺以外の3人が仕事で、
朝も早く、潤ちゃんの起床時間には家に居ない。
それは前日に潤ちゃんに伝えてたから、問題はなかった。
ただ、
問題は
新たに起きた。
「…………っえ、」
3人が寝室を覗いて行く合図をするから、それを見送った頃
そろそろ起こさなきゃ、と腕の中の潤ちゃんを見ると
閉じられた瞳から、いくつか流れる涙。
「………どうした…夢見ちゃった…？」
最近なかった夢に驚き、そっと頭を撫でながらそう呟くと
パチッ、と開いた瞳。
「おはよう潤ちゃん、」
いつもより柔らかい笑顔を心掛けてそう言うと
″まぁ、おはよ″ と、口だけ動かす。
「うん、おはよう」
寝起きで声が出ないことはときどきある。
だから何ともないように接してた。
それでも。
「ん？」
3人が用意してくれてた朝ごはんをキッチンで準備していると
クイクイ、と潤ちゃんに呼ばれて。
「どうしたの…大丈夫、おいで？」
振り向いた先には、
ポロポロ涙を零す彼。
「大丈夫…、大丈夫だよ」
全然話さないから、夢がそれほど酷かったんだと判断してた。
それでも、
抱きしめてる今も、俺を呼ぶ声が聞こえない。
いつもは、抱きしめたらその人の名前を呼ぶのに。
「………潤ちゃん？」
少し体を離して尋ねると
口を開けて、無音で伝えてくる。
” こえが、でない ”
「………………ん、大丈夫、深呼吸ね？」
伝えられた安心と、その不安が相まって
過呼吸気味になるから、深呼吸を促す。
不安そうに、瞳が揺れる。
その瞳との距離を詰めるように、俺の額と彼の額をくっつける。
「大丈夫、怖くないよ。安心してね、一緒に居るからね」
コクコク頷いて、必死に俺の呼吸を真似る。
落ち着いたときには、弱々しく体を預けてきた。
「潤ちゃん、こっち見れる？」
潤「……っ、」
「うん、そう。
大丈夫、無理に出そうとしなくていいからね？
ペンで書いてお話しよう。お話できなくないから」
縋るように俺を見つめる瞳にそう伝える。
自分に言い聞かせるようにして頷いてくれたのを確認して
もう一度抱きしめる。
「ん、落ち着くまでもうちょっとこうしてようね」
トン、トン、と彼の背中で一定のリズムを取りながら
うるさい心臓を必死に抑えた。
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櫻宮 - いえいえ(^^)姫可愛いですね！(^^)私の毎日の癒やしです(^^) (2020年7月26日 9時) (
レス) id: 17eb94eea0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - いえいえ(^^)姫可愛いですね！(^^)私の毎日の癒やしです(^^) (2020年7月26日 9時) (レス) id: 17eb94eea0 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます(*^^*) (2020年7月25日 16時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - あっそうだったんですね(^^;それは初耳。(笑)姫の沼から抜け出せないし姫可愛いし、もう何なの！？って悶絶しまくってる櫻宮です(笑)彼の中の嫌な一日が少しずつ減ってほしいなぁ。そう思います。本当に、、 (2020年7月25日 16時) (レス) id: 17eb94eea0 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» 実際にあったエピソードっていうのがまた可愛いですよね( 笑 )文字って怖いですよね、、 (2020年7月25日 0時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年7月9日 15時
