469 / 猫、ときどき。 ページ23
(obamameさんリクエスト 続)
side O
潤「ふふ、ありがとう。……こねこちゃん、かわいいね」
大人しく彼に抱かれて、
スリスリと頬を擦り寄せる子猫。
そんな子猫を抱いて、少し遠い目をしてる、彼。
潤「……ふふ、だいじょうぶ、おれもしあわせだよ」
「……、」
潤「むしろねぇ、きみよりしあわせかも」
『…にゃあ、』
潤「ふふ、おこった？
……………ひとりにみえて、ひとりじゃないんだもんねぇ」
子猫を高く上げて
今度は、柔らかく笑いかける。
猫でも持てる普通の家庭を
自分が持てなかったこと。
それに彼が羨望を抱くのは仕方ない。
俺らが傷ついたりなんてしない。
それでも、
彼が今の幸せを語ってくれたことが
自分が持てなかった幸せを持ってる猫に、
今の幸せを堂々と語ってくれたことが
何よりも嬉しくて。
潤「ふふ、りーだ、きょうはいっぱい、ぎゅーだね」
子猫を下ろして、ばいばい、と見送った彼を
後ろから抱きしめる。
人通りが滅多にないところでよかったと思った。
しゃがみこんで後ろから抱きしめてる上に
泣いてるなんてヤバい奴だもん。
潤「…………りーだ、？」
抱きしめたまま、何も言わない俺を不思議に思ったのか
キョトンとした声で尋ねてくる。
「………ねぇ潤ちゃん、好きだよ」
潤「ふふ、おれもすき」
「ねぇ、絶対幸せにするからね」
潤「ふふ、もうしあわせだよ」
「ううん、もっと」
潤「えぇ、そんなにもらっていいのかなぁ」
「いいの、いいんだよ」
潤「……………ねぇ、りーだ、
…うらやましいとおもっても、かわりたいなんておもわないよ」
不思議そうな声をあげてた彼だけど
最初から、俺が思ってることなんて分かってたんだろう。
掴めなかった過去の幸せに、羨望は抱くけれど
それを持ってる人と代わりたいなんて思わない、って
自分は今の幸せを選ぶ、って
ちゃんと伝えてくれるこの子が
どうしても、
どうしても。
「………潤ちゃん好き、大好き」
潤「ふふ、いいすぎ」
「俺らたぶん、潤ちゃんと居れて、誰よりも幸せだよ」
潤「………ほんと、？」
「あたりまえ、宇宙一幸せ」
潤「くふふっ、おっきいね？」
より一層力を込めて、
ぎゅうっと強く抱きしめると
「くるしいよ〜」なんて言いながら喜んでる。
涙を流さない彼が
間接的に、
意志の強さを伝えてくれた。
お知らせ 2020/07/18→←468 / 猫、ときどき。
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櫻宮 - いえいえ(^^)姫可愛いですね！(^^)私の毎日の癒やしです(^^) (2020年7月26日 9時) (
レス) id: 17eb94eea0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - いえいえ(^^)姫可愛いですね！(^^)私の毎日の癒やしです(^^) (2020年7月26日 9時) (レス) id: 17eb94eea0 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます(*^^*) (2020年7月25日 16時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - あっそうだったんですね(^^;それは初耳。(笑)姫の沼から抜け出せないし姫可愛いし、もう何なの！？って悶絶しまくってる櫻宮です(笑)彼の中の嫌な一日が少しずつ減ってほしいなぁ。そう思います。本当に、、 (2020年7月25日 16時) (レス) id: 17eb94eea0 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» 実際にあったエピソードっていうのがまた可愛いですよね( 笑 )文字って怖いですよね、、 (2020年7月25日 0時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年7月9日 15時
