467 / 銀杏の心 ページ21
side O
10月中旬。
俺と姫、2人のとある休日。
昼食も終わり、
洗い物中。
テレビ見てたはずの姫が
トコトコと、縁側へ歩いて行く。
「……？」
外を覗いて
空を見上げたと思えば
置いてあったサンダルを履き、
庭へ出て、ちょこんとしゃがむ。
「姫、風邪ひくぞー？」
少し冷たい風が吹いているこの時期。
俺も彼を追って縁側から外に出て、
何も羽織っていない彼に、
いつもの毛布を掛けてあげながらそう言う。
潤「あ、りーだ」
「うん、どうしたの？」
潤「これ、いちょう」
「お、秋だねぇ」
彼がじっと見つめる先には
茶色い地面に映える、黄色いイチョウ。
潤「ひらひらってね？みえたの」
「ソファから？」
潤「うん、なにかなぁっておもったの」
「そんで見に来たわけか」
潤「わけです」
「ふふ、わけです( 笑 )」
潤「んふふ、」
でも、
うちにイチョウの木なんてないんだよなぁ。
「どこから来たのかなあコイツ」
潤「きみ、まいご？」
「迷い込んだのか」
潤「かえれないねぇ…、さみしいね」
そっとイチョウを拾って
両手に乗せる。
「おうちに入れてあげる？」
彼の、どんなものにも向く優しさに
心がどんどん温まって。
頭を撫でてそう言うと
嬉しそうに表情が明るくなる。
潤「いいのっ？」
「もちろん、心配なんでしょ？」
潤「うん、このこ、ひとりだもん…」
「ふふ、そうね、ひとりは嫌だもんね」
潤「かざってるおはなといっしょなら、さみしくないかな？」
「うん、寂しくないと思うよ？」
そっと家に持って入って、
飾ってるお花の隣に置いてあげる姫。
潤「……とんでっちゃう？」
「そうねぇ…、額縁に入れる？」
潤「いれるっ！」
「ふふ、確かねぇ、この前の余ってたやつがあったよ」
額縁に綺麗に入れてあげて
それをお花の傍に飾る。
潤「ふふ、よかったねぇ、ひとりじゃないね」
ふわふわ優しく笑ってる彼が
どうにも愛おしくて。
潤「わ、ふふ、なぁに？」
後ろから、ぎゅ、って抱きしめると
またふわふわ笑うから。
「ん？潤ちゃんのこと好きだなあって思ったの」
潤「ふふ、おれも、りーだーすきだよ」
過去なんて性格に関係ないんだよね。
彼がその証拠だ。
何に対しても優しくて
生命の有無なんて関係なく、
全ての物に心があるって考えてて。
だからこそ、
彼の考え全てが暖かいんだ。
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櫻宮 - いえいえ(^^)姫可愛いですね！(^^)私の毎日の癒やしです(^^) (2020年7月26日 9時) (
レス) id: 17eb94eea0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - いえいえ(^^)姫可愛いですね！(^^)私の毎日の癒やしです(^^) (2020年7月26日 9時) (レス) id: 17eb94eea0 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます(*^^*) (2020年7月25日 16時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - あっそうだったんですね(^^;それは初耳。(笑)姫の沼から抜け出せないし姫可愛いし、もう何なの！？って悶絶しまくってる櫻宮です(笑)彼の中の嫌な一日が少しずつ減ってほしいなぁ。そう思います。本当に、、 (2020年7月25日 16時) (レス) id: 17eb94eea0 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» 実際にあったエピソードっていうのがまた可愛いですよね( 笑 )文字って怖いですよね、、 (2020年7月25日 0時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年7月9日 15時
