18 / 無声電話 ページ20
side O
「…………押すよ、」
″ 松本潤 ″
そう表記された画面を4人で覗き込み
3人が頷いたのを確認する。
後は、俺がタップするだけ。
「…………っ、」
震える。
手が、
視界が。
「…………智くん、無理にはいいよ…ごめん、俺が…」
「いや、やる。……不安なの翔ちゃんだけじゃないから」
翔ちゃんだけじゃない。
彼の生存が不安なのは
俺らも同じ。
声を上げたのが翔ちゃんだっただけ。
「……………お願い、鳴って…っ」
勢いで画面をタップした指は
少しの間震えたままだった。
今この時代でも、タップしてすぐに反応する機械なんてなくて。
しばらくのその沈黙が、
異様に怖かった。
でも、
それでも。
「…………っ！！鳴った…っ！」
携帯からコール音がするだけで
異様に安心するんだ。
安堵の息が漏れる。
出ないとわかっている画面を切ることは、できない。
彼との繋がりを断つようで怖い。
許されるなら、ずっと繋げていたい。
そのうち、留守番電話に切り替わった。
ピー、という合図が流れる。
「………………………松潤、」
何を言うかなんて決めてないくせに
ただ、彼の名前が口から零れた。
「………松潤…、」
「……っ潤くん、戻っておいで、」
心を突き動かしたように、そう声を荒らげるニノ。
それに突き動かされたのは、相葉ちゃんで。
「っ松潤…、…無事かどうかだけでも教えて…っ？」
「………話すのに…何年かかってもいいから、…姿見せて、松潤…」
相葉ちゃんに続いたのは翔ちゃんで
視線が俺に降りかかる。
「……何でも受け止めるから、生きて戻って来て、松潤…っ」
何かが溢れ出したように
ボロボロ涙が溢れて止まらない。
それでネジが緩んだように、
みんなの涙が溢れ出す。
嗚呼、彼が居なくなって初めて泣けたな、
なんて。
やっと、
彼が居ないという現実を見た気がした。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 楓さん» わわわありがとうございます( ; ; )めちゃくちゃ嬉しいです、、！ (2020年8月17日 23時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ヲ伽さんのお話、本当に好きです(; ;)更新楽しみにしています！ (2020年8月17日 22時) (レス) id: 8b170ae239 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 嵐華さん» いつもありがとうございます( ; ; )嬉しいです、、！ (2020年8月10日 2時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
嵐華 - ヲ伽さんの紡ぐ文章に惹き付けられます。大好きです。次の更新も待ってます！ (2020年8月10日 1時) (レス) id: fc50a29d39 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - ナナさん» めちゃくちゃ嬉しいです、、！ありがとうございます´`*！楽しんでいただけて幸いです(*^^*) (2020年8月8日 20時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年7月6日 19時
