#64 和也 ページ29
『頭あげて』
そう大野さんに言われたとき、いろいろ覚悟した。
怒鳴られるかな、殴られるかな、
いろいろなモノが心と頭の中で複雑に絡み合って、解けなかった。
けれど。
いざ、頭をあげると。
.
智「俺らに土下座なんてしないでよ…」
耳の近くで、大野さんの涙声が聞こえた。
さっきまで俺が考えてた冷たいモノとは正反対で、体中が暖かくて。
やっと、大野さんに抱きしめられてることを理解した。
「…ぉの、さん？」
智「…なんで、土下座なんかすんのさ」
「だって…」
智「…怒るわけないし。ましてや、殴るなんてことあるわけないでしょ」
「…どうして？」
俺がそう聞くと、
『困った奴だなあ(笑)』
そう言って俺の体を離し、目を見て言った。
智「俺達がにのの立場なら、同じことしてたからだよ」
「え？」
そこで、様子を見てた翔ちゃんが口を開いた。
翔「…メンバーの異変に気付いて、そのメンバーの真実を知って…俺達がにのと同じ立場に立たされたら、きっと俺らだってにのと同じ道を選んでる」
「でも、みんなに内緒で…」
── 『ここまでしちゃったんだよ』 ──
その言葉は、相葉さんの言葉に遮られた。
雅紀「同じように考えるよ。───みんなはメンバーを見捨てるような人間じゃない、…って」
「相葉さん…、」
.
『アイバカのくせに』
なんて、いつもの言葉は出てこなかった。
ただただ、嬉しくて。
ただただ、安心した。
────みんなを信じていてよかった
.
智「ありがとうね、にの。俺らの松潤を守ってくれて」
そう言って俺の頭を撫でてきた大野さんに続いて、
翔ちゃんと相葉さんも口々に『ありがとう』と言いながら俺の頭を撫でてきた。
いつもなら振り払うけれど、何故か今日は振り払えなくて。
心地よくて。
──────お前がしてきたことは間違ってない
…そう言ってもらえてる気がして。
.
.
.
「…潤くんのとこ行こう？」
俺が落ち着いてからそう言うと、みんなの顔が少し緊張の色を見せた。
雅紀「…なんて声かけたらいいんだろ」
「いつもどおりでいいんだよ」
翔「でもそれじゃあ…」
「んーん、いつもどおりに接してあげるのが1番いいの。
…でも、さっき話したとおり…虐待受けてた影響で、幼くなってる。
…きっと、みんな驚くと思う。
でも…態度には出さずに、受け入れてあげてほしい」
智「ん、わかった」
そして俺達は、潤くんの所へと向かった。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - すいすいさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます！続きもありますので、よければぜひ´`* (2021年8月6日 17時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
すいすい - 気づいたらめっちゃ泣いていました。潤くんはきっと、5人で楽しく過ごしていると思います。 (2021年8月6日 15時) (レス) id: fd76ce1517 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - アラシックスティさん» ありがとうございます( ; ; )続きもあるので、よければぜひ…´`* (2021年4月29日 7時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
アラシックスティ - すごーく良かったです！！また読みたいと思うような物でした。 (2021年4月29日 6時) (レス) id: 419204c463 (このIDを非表示/違反報告)
つ む ぐ ＿＿ 。∴亀更新∴(プロフ) - 愛の釣り人さん» 遅くなりすみません！！今気づきました…(；＿；)ありがたいお言葉すごく嬉しいです。書いてよかったとすごく思いました！今書いている作品も気に入っていただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします^^ (2017年10月23日 18時) (レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つ む ぐ ＿＿ 。((元じーゅん
| 作成日時：2016年9月5日 0時
