186 / 映る世界 ページ6
side A
「ほら潤ちゃん、お花見ようよ？」
潤「ん、みるっ」
ベンチから立ち上がって、
ん、と無意識に手を差し出したけど
そういやもう歩けるんだと思って。
でもその手は、当たり前のように潤ちゃんに繋がれた。
潤「おはな、むこう？」
きゅ、と繋がれたその手。
歩けるとか歩けないとか関係なくて。
ただ単に、彼は手を繋いで歩くのが好きなんだろう。
それが、夢だったから。
「うん、もうちょっと向こうだよ〜」
潤「たのしみだね〜」
「ふふ、そーね？」
いつもよりちょっと強く握られた手は
まだ少し、緊張してる。
でも、それでも。
潤「あ、まぁっ、さくらっ！」
彼の視界に映る自然は
全て、輝く。
潤「わぁっ、すごいね…っ！
みれるとおもってなかったなぁ…きれいね？まぁ、」
「そうだね？綺麗だね」
彼の視界に映る世界は
もう見れないと思っていた世界で。
だから、輝いて見えるんだろう。
それが例え、
小さな桜の木だとしても。
「来年は、もっと大きいの見ようね」
潤「んふ、らいねんがあるの、うれしいね」
「ずっとずーっとあるよ」
潤「うん…ねぇ、まぁ？」
「ん？」
潤「いつもありがとう、」
2人で桜を見上げていたはずなのに
突然隣で落とされたその言葉に
驚いて隣を振り向くと
バチッ、と重なった瞳。
それはもちろん悲しそうじゃなく、
でも真剣でもなく
ただただ、暖かくて、柔らかくて。
脳に命令なんてされないまま
ただ本能のままに、無意識に
抱き寄せた彼の身体は、やっぱりまだ、か細くて。
でもそれから感じられるのは悲しみなんかじゃなく、
生きていてくれてるという喜び。
「俺も、…いや、俺らも、ありがとう」
潤「んふふ、さくら、みえないよ」
俺の腕に包まれて、そう言う彼だけど
声は嬉しそう。
彼の世界が
ずっとずっと、輝いていてくれればいい。
それを共有する相手が
ずっとずっと、俺らだったらいい。
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ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)(プロフ) - 泪さん» コメントありがとうございます！リアリティがあるなんてとても嬉しいです、、( ; ; )！完結時期は恐らくまだまだ先なので、今感想を頂けてよかったです！( 笑 )こちらこそ、これからも楽しんで頂けるように頑張ります！ (2020年1月31日 23時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
泪(プロフ) - 文字数いっぱいでした。笑とにかく素敵なお話で、これからも読ませていただきます。素敵なお話ありがとうございます。こらからも応援してます！ (2020年1月31日 22時) (レス) id: 28b20217ed (このIDを非表示/違反報告)
泪(プロフ) - はじめまして。前々から読ませていただいていたんですが、リアリティがあって、苦しい中でも潤くんの可愛さ、メンバーの温かさもあり、と、とても好きな作品です。。完結時にコメントしようかと思ってたんですがzeroのシーンからの流れを見るとどうしてもお伝えしたくて (2020年1月31日 22時) (レス) id: 28b20217ed (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)(プロフ) - riroさん» コメントありがとうございます！潤くんの心境も共感して頂けて、翔くんの部分は映像が浮かぶなんてほんと嬉しいです( ; ; )次回も楽しんで頂けるように頑張ります´`* (2020年1月31日 22時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
riro - 少し泣きそうなりながら 見ました(´TωT｀) 潤くんの心境が分かるような感じです ZEROでの翔くんのコメントの部分も映像が浮かんで来ました 次の話の楽しそうな雰囲気待ってます！！これからも更新頑張って下さい！！ (2020年1月31日 21時) (レス) id: 4e0d2c6273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)
| 作成日時：2020年1月4日 18時
