184 / 聴こえない声 ページ3
side A
「………潤ちゃん？」
さっきまでニコニコだったのに
握った取っ手を、引こうとしない彼。
それ以上に、
取っ手を握る手が震えている。
「じゅーんちゃん？こっち見て？」
あぁ、やばいな、なんて
この短期間での経験からそう思って、
そっと頭を撫でながら、そう問いかける。
幸い、まだ声は届いた。
潤「ん、まぁ…」
「うん、わかるね、よかった。
おいで？大丈夫だから」
俺がそう言うと
いつもみたいに抱きつくことはなく、
トン、と
そっと、静かに、俺の胸に顔を埋めた。
そんな彼を、
きゅ、と抱き締める。
カタカタと震える彼の体は
涙が全身から溢れているようで。
「うん、大丈夫だから」
” たすけて ” と
彼の心から、そんな声が聴こえた。
そんな、気がした。
「お……っと、」
カクン、と
彼の足が、ずっと震えていた彼の体を支えきれなくなって。
瞬時に反応した俺の腕は、
倒れこまないように、彼を抱える。
そして、ゆっくりしゃがみこむように促して。
しゃがみこんだ彼を、前から包み込む。
潤「………まぁ…、」
その瞬間、どうしたらいい？と問うように顔を上げた彼。
「お花、見に行こっか」
潤「……おはな、？」
「うん、和がいってたでしょ？
お花がいっぱいある場所があるよーって」
潤「うん、かずが…」
「ね？俺とそこ行こうよ。みんなには、先におうち片付けててもらおう」
コク、と頷いてくれた彼の頭を撫でて
人差し指でそっと涙を拭ってあげると
また、ぶわっと溢れ出てくる涙。
それに何も言わず抱きしめてると、
「ここ、いや…」と、小さな声が聴こえて。
未だヒクヒクと肩が震え、涙が止まらない彼に
「行こ？」と問うと、恐る恐る立ち上がってくれた。
見守っていたみんなは、不安そうだったけど
俺が、お花を見て帰って来た潤ちゃんを迎え入れて欲しいと考えてることは理解してくれたみたいで
「いってらっしゃい、」と見送ってくれた。
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ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)(プロフ) - 泪さん» コメントありがとうございます！リアリティがあるなんてとても嬉しいです、、( ; ; )！完結時期は恐らくまだまだ先なので、今感想を頂けてよかったです！( 笑 )こちらこそ、これからも楽しんで頂けるように頑張ります！ (2020年1月31日 23時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
泪(プロフ) - 文字数いっぱいでした。笑とにかく素敵なお話で、これからも読ませていただきます。素敵なお話ありがとうございます。こらからも応援してます！ (2020年1月31日 22時) (レス) id: 28b20217ed (このIDを非表示/違反報告)
泪(プロフ) - はじめまして。前々から読ませていただいていたんですが、リアリティがあって、苦しい中でも潤くんの可愛さ、メンバーの温かさもあり、と、とても好きな作品です。。完結時にコメントしようかと思ってたんですがzeroのシーンからの流れを見るとどうしてもお伝えしたくて (2020年1月31日 22時) (レス) id: 28b20217ed (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)(プロフ) - riroさん» コメントありがとうございます！潤くんの心境も共感して頂けて、翔くんの部分は映像が浮かぶなんてほんと嬉しいです( ; ; )次回も楽しんで頂けるように頑張ります´`* (2020年1月31日 22時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
riro - 少し泣きそうなりながら 見ました(´TωT｀) 潤くんの心境が分かるような感じです ZEROでの翔くんのコメントの部分も映像が浮かんで来ました 次の話の楽しそうな雰囲気待ってます！！これからも更新頑張って下さい！！ (2020年1月31日 21時) (レス) id: 4e0d2c6273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)
| 作成日時：2020年1月4日 18時
