54 / Blind in our world. ページ5
side O
「おつかれさまでした」
翔くんと潤が2人目の現場に行った深夜
先に全ての証拠を集めたから、もう見張りはいい、と
潤からメッセージが入った。
後は犯人探しだけど
目処が立たないとの報告もあった。
そして
林の様子がおかしい、ということ。
それを、翔くんには話すなということも。
何故かなんて
怖気付いて、聞けなかった。
そのメッセージがきた日から1週間。
今日は、5人での収録だった。
何も知らない2人に、
何も察せられることのないように。
それが、俺ら3人のモットーだった。
「そうだ、ユリ子さんからBarのお誘い来てる」
5人で、車を停めた地下駐車場に向かう途中
雅紀がそう呟いた。
「お、いいじゃん行こうよ」
「みんなこの後何もないの？」
誘いを受けようと言った和に、
予定を確認する翔くん。
それに4人が頷くと、雅紀が携帯を開く。
ユリ子さんへの、承諾のメッセージ返信だろう。
「久々だね〜何作ろっかなぁ」
「はいはい、どうせ気分だろ」
「ちょっと翔くん酷くない？
今日は俺、ちゃんと決めてんだから」
え？
「え？いやいや怖いよどうしたの潤」
「怖いって何よさとくん、
決めてるよ？ユリ子さんの分だけ」
誰のことも見ず、
ただ前を向いて放ったその彼の言葉に
俺らの誰もが、笑みを零した。
「ふふ、そう言ってくんなきゃ怖いよ、潤くん」
「んは、怖いってのも酷い話なんだけど？」
壊されようとしている世界で
些細なことでも笑えるこの瞬間が
愛おしく感じたなんて言えないけど
それでも、これを壊す奴だけは許せないと
それだけは言える。
「………みなさん」
そいつが、
近くに居ると。
「林…、」
それも、
分かってた。
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ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)(プロフ) - riroさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです´`*！頑張ります´`* (2020年1月15日 19時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
riro - ハラハラの展開！ 早くみたいーw 更新頑張って下さい！ (2020年1月15日 18時) (レス) id: 4e0d2c6273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)
| 作成日時：2019年12月11日 11時
