70 / 確信 ページ22
side J
「いらっしゃい、楽しみに待ってたのよ」
「おまたせしました( 笑 )」
既に夕飯は済ませていたらしく、
俺の分も、残りで作ってくれていて。
それを振舞ってくれて、
空腹が満たされたところで、カクテルを作る。
「最初の頃と比にならないわね」
「そりゃあ練習したからね。
嫌でもみんなに頼まれるんだから上手くもなるわ」
「ふふ、そうね( 笑 )」
カクテルを作る俺を見ながら、そんなことを言うユリ子さん。
静寂の中に、
シェイカーの音だけが響く。
それがやけに、心地良い。
「はい、おまたせ。
今日は、エリカっていうカクテル」
「へぇ、綺麗な名前ね」
そう言いながら一口飲んだ彼女は
「ん、美味しいわ」と、満足気に微笑んだ。
「そりゃよかった」
「………ねぇ、言うか迷ってたんだけどね」
「なに？」
言いづらそうに口籠もりながら、
チラリと俺を見て話を切り出したユリ子さん。
「………ちょくちょく、林って人が会いに来るの」
口籠もった意味は、すぐに理解出来た。
「……なんて聞かれる？」
「何か思い出しませんか、とか…
何か心当たりありませんか、みたいな」
「……そう」
「もちろん、無視してるわよ？
何も分からない、って言い張ってる」
「うん、ありがとう、それでいいよ」
「ごめんね、作りに来てくれたのに」
「いや、知らないよりかはいいから大丈夫」
ユリ子さんと俺らの関係が深いのは
Barでの様子を見て察知したんだろう。
それでも、ユリ子さんが何か吐くわけない。
この人は絶対何も言わない。
その確信だけは、ちゃんとあるんだ。
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ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)(プロフ) - riroさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです´`*！頑張ります´`* (2020年1月15日 19時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
riro - ハラハラの展開！ 早くみたいーw 更新頑張って下さい！ (2020年1月15日 18時) (レス) id: 4e0d2c6273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)
| 作成日時：2019年12月11日 11時
