68 / Believe it or not ページ20
side S
少しだけ目を見開き
体全体を、俺へ向ける。
「…………この薬品の蓋、おまえのだよな」
潤と、雅紀の証拠を見に行ったとき。
イニシャルが少し、欠けていた。
不思議に思って辺りを見渡すと、
落ちていたのは薬品の蓋。
頭に過ったのは、
和の家の隠し部屋にある、数々の薬品の中のひとつ。
蛍光色の蓋だったから、印象強く覚えていたんだ。
まさかと思って、その日、潤と別れた後に
急いで智くんと俺の証拠がある現場に戻ると
そこにはイニシャルは無く、消えていた。
「注意深くてミスのないおまえなのに。
……………慣れないことで、少し怯えた？」
じっと俺の瞳を見つめていた和が
スッと、目を逸らした。
「…………………俺のじゃない、って言ったら？」
「………嘘つくな、ってなるね」
はぁ、と
ひとつ溜め息をついた彼は
少しの間、天を仰いでから
再び、
フッと瞳を俺に戻す。
今、
この場の空気を操っているのは
彼のミスを暴いた俺か
はたまた、
目の前で、相も変らぬ表情で微笑む、
彼か────────────
「ねぇ翔ちゃん。
………………俺が、そんなミスすると思うの？」
黒で塗り潰してしまった紙の上に
白紙を重ねるように。
新しい世界を見せてきた彼の言葉は
果たして、嘘か
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ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)(プロフ) - riroさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです´`*！頑張ります´`* (2020年1月15日 19時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
riro - ハラハラの展開！ 早くみたいーw 更新頑張って下さい！ (2020年1月15日 18時) (レス) id: 4e0d2c6273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)
| 作成日時：2019年12月11日 11時
