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side N
俺が持ってた鍵を差し込み、
扉を開けて
徐ろに、一歩踏み入れる潤くん。
手探りで握られた手からは
いろんなものが伝わってきた。
.
“ おれ、たぶん、もう、むり “
“ ごめん、30にちまで、もたない “
“ かず、ごめん “
“ ごめん、かず “
.
あの頃の俺らには、
今、こんな瞬間なんて。
潤「こんなしゅんかん…、…くると、おもわなかった」
こんな瞬間なんて。
来ると、思ってなかったんだ。
「うん、…うん」
ポタ、と
繋がれたふたつの手に落ちた、温くて冷たいものは
どちらのものかなんて分からない。
でも、ここにあったのは
あの1ヶ月、確かにここにあったのは。
未来を確かなものにしようと必死だった、
俺らの姿で。
潤「……かず、」
ずっと振り返らなかった潤くんが振り返ると
俺と同じように涙が流れてて
お互いにそれに気付くと、可笑しくて笑っちゃって。
でも、涙は止まんなくて。
どちらからともなく、抱き寄せた。
潤「……………ごめんね、かずがぜんぶ、ただしかった。
しなないのも、ずっとそばにいてくれるのも、
おれにちゃんと、みらいがあるのも。
ぜんぶ……ぜんぶ、かずが、ただしかった。
ごめんね。……しんじなくて、ごめんね、」
俺の肩に、涙と共に落ちてくる彼の言葉に
俺は、頷くしか出来なくて。
死なない根拠なんて無かった。
未来がある根拠なんて無かった。
死ぬ根拠の方がたくさんあることは分かってた。
それでも、ただひたすらに信じた。
身勝手な気持ちで、潤くんに生きる希望を与えたことに
責任は持たなきゃいけないと。
そんな義務も、少しあった。
それでも、ただひたすらに。
潤くんと共に生きていく、と
潤くんを手放さない、と
何度も何度も、神に誓った。
“ 頼むから潤くんを救って下さい “
ご褒美として叶えてもらえる気がして
神に誓い続けた。
「……………あの苦しみも痛みも楽しさも、
今の幸せも、これからの幸せも。
全部全部、ずっと、一生、宝物だよ」
あの日々は、消えなくていい。
苦しみも、痛みも、悲しみも。
消えなくていい。
あの日々が、確かに存在したこと。
それは、
どんな日々でも、いつか笑って話せると。
その自信になるから。
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ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)(プロフ) - ヒールさん» コメントありがとうございます！´`* この作品を好きになって頂いて嬉しいです！楽しんで頂けるようこれからも頑張ります！´`* (2019年12月26日 17時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
ヒール - はじめまして。この作品とても好きです。潤くんがみんなの癒しになって、カズは潤くんのことをよくわかっていて…これからも更新楽しみにしてます。 (2019年12月26日 16時) (レス) id: 0f6d7ecd16 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)(プロフ) - riroさん» インスタでもこちらでもコメントありがとうございます´`*！潤くんならきっと、という言葉にとても安心しました´`*これからも楽しんで頂ければ嬉しいです！ (2019年12月10日 13時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
riro - こんにちは！ インスタでも時々DMで話させてもらってます！ここでのコメントは初めてなんですが 更新ありがとうございます！ 翔くんのオトノハの潤くんコメント少しうるっと来ました 潤くんならきっとこう言うだろうなーとおもいました また更新待ってます！ (2019年12月10日 13時) (レス) id: 4e0d2c6273 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)(プロフ) - UsuiSGさん» コメントありがとうございます！気軽に読んで頂き嬉しいです´`* これからも潤ちゃんの成長を感じて頂けるようなお話書いていこうと思います´`*！ (2019年12月10日 0時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)
| 作成日時：2019年11月5日 13時
