乞ウモリ (ページ4)

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beg.3 / 映るのは－A ページ4

「今日、2本撮り？」

「1本でしょ」

「まじ？よっしゃ～がんばろ」

メイクルームに移動して、
5人でメイクをされながら、3人がそんな話をしてた。

そっか、1本か。

じゃあこの後、どうしようかな。

いや、取材があったっけ？

グルグルとそんなことを考えていると、

視界に映ったのは隣でメイクをされている松潤。

彼はいつも、メイクのとき

目を閉じる。

髪のセットとか、目に入るの関係ないときでも。

メイク「松本さん、これで大丈夫ですか？」

メイクさんにそう聞かれれば、そっと目を開けて

「大丈夫です、ありがとう」と答えた。

「俺さき楽屋戻ってるね？」

「え、松潤早えなぁ」

ゆっくりのんびりのリーダーにそう言われながら

お先、と言ってメイクルームを出て行った。

「…ねぇ翔ちゃん」

「ん？」

「やっぱり松潤ってさぁ、メイクのとき目閉じるよね」

「あぁ、アイツ昔っからだね」

「髪されてても目閉じてる」

「なんで、気になる？」

「いや、なんか…改めて見ると不思議だなって」

メイクされる自分の顔を見つめながらそう口にすると

話していた翔ちゃんではなく、

ニノから「今更でしょ」と鋭いツッコミが入った。

いや、そうなんだけどさ

不思議に思わねぇの？

「んまぁ、不思議なのは不思議だね」

「だよね？リーダー」

「でも、俺らそれ何回も聞いてるからね、潤くんに」

「そこだよね。アイツもそろそろしつこいって怒りそう( 笑 )」

そうなんだよね、何回も聞いちゃってるから。

その度に、「別に意味なんてないよ」と答えてくれるけど

多分そろそろ、怒られる。

「ま、そりゃそうだね。俺も戻ってるわ」

「あ、相葉くん、俺も」

メイクが終わり、楽屋に戻ろうと席を立つと

後ろから翔ちゃんに声をかけられ、扉を開けたまま彼を待った。

「ごめんごめん」なんて言って急いで来る翔ちゃんに、
「いいよー」って適当に返事をして

まぁ確かに、ずっと自分の顔見てるってのも変なのか、と

終わった話をひとり、未だ考えていた。