beg.6 / two −someone ページ7
「んっ…」
目を覚ますと
窓の外が、いつもより明るかった。
9月の頭だから
窓の外が明るいってことは
まだそんな夜更けじゃないってことかな。
時計を見ると、19時半。
あれ、だいぶ早い。
不思議に思って
サイドテーブルのメモを見て、納得。
どおりで、少し心臓がキリキリすると思った。
でも、一番大事な時間がかかれてない。
そういうところあるんだよね…
はぁ、と呆れながら携帯を開き
先生とのメッセージのやりとりを読み、時間を把握する。
21時までに病院だから
20時に出れば間に合う。
あと30分でご飯食べて、
お風呂…は、帰ってからにしよう。
「何食べよっかなぁ」
久々にちゃんとした時間に夜ご飯食べるからか、
少し気持ちが浮き足立つ。
冷蔵庫を見ると、さすが食材はいろいろあった。
運転があって飲めないから、あっさりしたもの作ろう。
パッと作って、
テーブルでサッと食べて
いつもの全身真っ黒スタイルに着替える。
でも、今日はフードじゃなくて帽子にしよう。
まだ夜更けじゃないから、
フードだったら怪しい人になっちゃう。
黒の帽子を被り、マスクをして
なるべくバレないように、と玄関にある鏡で確認する。
「……やっぱり眉毛で分かっちゃうなぁ」
特徴的過ぎる。
これが公にされてるんだから、本当に困る。
「もう、ほんとに濃いんだから…」
また溜息をついて、
帽子を深く被り直した。
眉毛を隠さず、その上でバレずに街を歩くなんて
「僕には無理だよ」
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作者名：つむぐ
| 作成日時：2019年3月26日 2時
