木漏れ日より、愛を込めて -2- (ページ8)

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52 / 僕の役目ページ8

side A

和也「じゅーんくん」

少しだけ間を開けて、
優しく声をかける。

翔ちゃんがそっと離れると
ニノはしゃがんで、潤ちゃんと目線の高さを同じにした。

和也「…ごめんね、いっぱい流させちゃったね…」

彼の頬に流れる涙を
人差し指で優しく拭いながらそう言う。

和也「ふふ、みんなに全部言われちゃった」

潤「ん、ふふ…」

一言で、
たった一言で

ニノは、潤ちゃんを笑顔に変えた。

和也「やだったよね、1人」

微笑んだまま優しく頭を撫で、
そのままでそう言い放った。

焦った俺らとは違って
潤ちゃんは、素直にコクリと頷く。

和也「仕事だ、って分かってるけど
それでも、なんでどうして、って
寂しかったよね」

潤「ん…、いっぱい、いっぱい…かんがえたの。
おれ、いっぱい…かんがえた、」

和也「うん、うん」

潤「でも…でもね？かず…
やっぱり…ひとり、やだった…」

ちゃんと聞けてなかった、
潤ちゃんの本音を、
その本音の言葉を

ゆっくり、ゆっくり聞き出す。

縋るように、
ニノの瞳を見つめて

潤ちゃんはそう言った。

和也「その潤くんの気持ちは、全然悪くないんだよ」

“ 全然気付けてなかった ”

“ 頼っちゃってた ”

そう言うことも出来るけれど
みんながみんな謝っちゃったら、逆効果だと思ったのだろう

ニノは、潤ちゃんの気持ちの肯定に回った。

このまま、曖昧な言葉で流しちゃいけないと
ニノの覚悟が見える。