木漏れ日より、愛を込めて -2- (ページ48)

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side S

和也「…斗真」

斗真「ん？」

和也「……もし、何か…他のことに勘付いても、触れないでほしい」

斗真の目をじっと見て
ただ一言、そう放ったニノ。

“ 人が怖い ”

これを打ち明けた時点で、きっと斗真は
潤に降り掛かっていることが病気だけじゃないと勘付いてる。

そんな彼が潤に会えば、それは確信に変わるだろう。

だからこそニノは、敢えて先走ったんだ。

斗真に人が怖いと話せば何か勘付かれる、と
そこまで思考が回らなかった潤のために。

斗真「……うん、分かってる。

でも…、話さないでおこうと思ってたけど
ついでに言っとく。

……噂、回ってるよ。
松本潤は他に何かあるんじゃないか、って」

パッと隣のニノの方を向くと
同時に彼も俺を見た。

「…なにそれ？なんで？」

斗真「会見の時とか、その後の大ちゃんがキレた時とか…その様子を見て、異様に4人が潤を庇ってるって見た人が居るらしくて。
今は業界内での噂だけど、来週には週刊誌に乗るって聞いた」

和也「そんなの…、」

今ありもしない噂を流されれば、

その噂が、精神面に関することだったら。

潤の耳に入ったらアウトだ。

あの子が不安定になるのは目に見えてる。

目指してきた復帰に対しても、
怖さが芽生えるかもしれない。

そうなると
メディア上での “嵐5人” は叶わない───────

斗真「…大丈夫？」

和也「あぁ…ありがとう、なんとかする」

「なんとかって…」

和也「なんとかするしかないでしょ。

自分が戻る場所で精神面のこと言われてるってなったら、潤くん怖くて堪んなくなるよ。

潤くんの中でテレビを怖い場所にしたくない。
しちゃいけないんだよ」

有無を言わせない勢いと表情でそう言い切った彼は

誰よりも潤の復帰を、
潤が笑顔で復帰することを、
潤が何にも傷付けられないことを

願ってるんだろう。

死が迫っている時でも仕事をしたいと、
仕事が生き甲斐なんだと嘆いた潤を見てるから

それを断ち切ったのは自分だから

潤の仕事への未練を、願望を
誰よりも感じてる。

潤に何かあった時、何かされた時

一番に立ち上がって防御に入ると同時に、
壊れてしまうのは

完全にニノだ。