86 / 観察眼 ページ45
side S
翌日。
潤の昼食の時間に、
相葉くんから、潤の様子を報告する4人のグループに
【潤ちゃん安定】というLINEが入った。
俺ら以外の人に話すわけだから、
もしかしたら不安定になるかもしれない。
だから様子を知らせて欲しいと、昨夜話し合った。
潤が不安定な中で話すのは違うから、
それなら斗真には断りを入れようと思ってたから。
けれどこのLINEだから、大丈夫そう。
端的な文章だったから、潤にバレないように急いで打ったんだろう。
了解、とだけ返して
斗真にどう話そうかを考える。
正直、ニノが居てくれるとなるとすごく助かる。
どこまで話していいかの判断に、自信が無いから。
「櫻井さん、そろそろ再開します」
「あ、はい」
早めにとった休憩が終わり、
夜のことを考える間もなく2本目の収録。
それが終わって雑誌の取材が2本。
怒涛のスケジュールをこなし、
19時に全てが終わった。
斗真からは、既に店で待っていると、
ニノからは、終わったから局まで迎えに行くという連絡が入っていた。
急いで局の駐車場に行くと、
ニノの車を発見。
運転席で、いつもの猫背でゲームしてるから分かりやすい。
「お待たせ」
和也「ああ、お疲れ様」
「お疲れ様。猫背分かりやすいわ」
和也「感謝してね」
「意味わかんねぇ( 笑 )」
和也「ふふ( 笑 ) あ、道案内よろしくね」
「了解」
シートベルトをして車を発進させたニノだったけど
駐車場を出た所で、「あ、」と声を漏らした。
「どした？」
和也「今から斗真に会いに行くよ〜って潤くんに伝えて、ってLINE入れてくれる？」
「え、頼まれてたっけ？」
和也「いや頼まれてないけど、きっと潤くんソワソワしてるから。不安にはなってなくても、気になっちゃうのが潤くんだからね」
そう言われて4人のグループにLINEを入れると
相葉くんから、
【ちょうどよかった！潤ちゃんさっきからソワソワしてたの〜】
と返信が来た。
「すげぇ、ソワソワしてたって」
和也「だろうね( 笑 )」
「なんで分かんの？すごいね」
和也「なんとなくだよ( 笑 )」
そうやって笑う彼をよそに、ニノが言ったんだと返信すると
相葉くんと智くんも すごい と驚いてて。
ニノに伝えると、「大袈裟、」と笑ってた。
ニノのことだから、よく観察してるんだと思う。
潤の性格を知り尽くして、
対応の仕方を考えて、彼の気持ちを考慮する。
これにいつも驚かされるんだ。
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作者名：つむぐ
| 作成日時：2019年6月27日 16時
