83 / My choices ページ42
side N
その話をされてから約2週間。
時間があけば考えるけれど
全く案は浮かばなかった。
案どころか、選択肢すら見えてこない。
「……どうすりゃいいんだ…、」
そう嘆いて髪を掻きむしっても
閃きなんて降りてこない。
責任は俺達にあるんだ。
潤くんが自分を見失った責任は、俺達にある。
居場所だとしてくれたのに
それに責任までもって嵐を率先してくれた。
いつだってそうだ。
潤くんは、自分のことなんて後回し。
コンサートのリハだって、
自分も練習や確認したいだろうに
それを蹴ってまで総合演出に回ってくれて。
俺様キャラだって
なんでも完璧だというパブリックイメージだって
それでみんなが面白いなら、と
買って出てくれた。
嵐を守ろうと、
そこが俺ら4人の居場所でもあると分かったからこそ嵐を守ろうと
彼は、ありのままの自分を犠牲にした。
「潤くんに、なんの負担もなく
潤くんが、いつでも安心出来るのは…」
なんだろう。
この空白に、何か書きたい。
このメモが空白なのが
まるでこの先が難しいと言われてるようで。
何も書けない自分に、苛立つ。
「まず、大前提は潤くんを1人で家には帰さないこと」
何か書きたくて、
そんな当たり前のことを書いてみる。
1人で帰さないとなると
残るのは、誰かが引き取って二人暮らしをすること。
でもそれならきっと、潤くんは寂しがるだろう。
「…難しすぎる…」
目を瞑って背凭れに全てを預け、
頭を逆さにぶら下げるようにして項垂れる。
これまでに、こんなに頭をフルに回転させたことはない。
勉強も適当だったんだから。
そんな俺には、パンクしそうだ。
ふぅ、と息を吐いて目を開けると
視界に映ったのは、逆さの相葉くん。
「うぉっ、」
複雑そうな顔をした彼を見て
なんか勘付かれたかと焦る。
まだ、みんなには言わないでいいんだ。
雅紀「ニノ、どしたの？具合悪い？」
「あぁ、いや…そんなことないよ」
近付いてきてそう尋ねる彼に
体を起こして大丈夫だと伝える。
こんな姿見て、それを信じる方が無理あるけど。
雅紀「ほんとに？」
「ほんとほんと。疲れてなんてないよ。
ちょっと考え事してた」
雅紀「そっか、それならいいんだけど」
なんとなく納得してくれたみたいで
深く聞かれる前に、戻ろうと促した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 615人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つむぐ
| 作成日時：2019年6月27日 16時
