木漏れ日より、愛を込めて -2- (ページ32)

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74 / 咲き誇る愛ページ32

side O

「潤ちゃん、歩けてる…」

不安がってた割には歩けてて、
逆にこっちが驚かされる。

潤「ん、すわる…っ」

それでも限界が来たようで、
俺に縋るようにそう言った。

離れた車椅子を前にしてあげて、
「ふぅ、」と座り込んだ彼の頭を撫でてあげる。

そうしたら嬉しそうに微笑んで。

可愛いからビデオで感想撮ろうと振り返れば、

扉の方に口を抑えて涙を流す人の姿。

「おわっ、…翔ちゃん？」

潤「え、しょーくん？」

この場に居るはずのない名前にびっくりしたのか
潤ちゃんも振り返る。

するとそれがダメだったのか、
翔ちゃんの涙は増してきて

もう我慢ならないみたいな顔して
潤ちゃんの方へ走って行って抱き締めた。

潤「わっ、ちょ…、」

困った声を上げて
隙間から俺を覗き、「なになに？」みたいな顔を向けるけれど
俺にも分からなくて、首を傾げるしかなかった。

翔「…っおまえ歩けてるじゃん…ッ」

数秒後、
グズッ、と鼻をすする音と共に囁かれたそれに

俺と潤ちゃんは吹き出してしまって。

翔「だって智くん…っ歩けてるんだよ…！？」

「や、それは俺も感動したけど…( 笑 )」

潤「しょーくん、おおげさだよ( 笑 )」

翔「いーーーや、そんなことない、
潤おまえ凄いんだよ？歩けてるんだよ？
潤が歩けてるなんてもうそんなの泣くに決まってる～…ッ」

潤「もー、くるし…( 笑 )」

また強く抱き締められたのか、
苦しいと呟く潤ちゃんだったけど

その表情は、嬉しそうに微笑んでるものだった。